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「あ、Aさん昨日借りた本、めっちゃ面白かった」
次の日の昼休み、一年の時同じクラスだった友人たちに中庭でお昼を食べよう誘われていたから、お弁当を持って廊下に出たら、通りすがりの松村くんに声を掛けられた。
「あ！だよねー。ていうか、もう読んだの？」
「おかげで寝不足」
「確かに、いつもよりクマがあるかも」
クマもくすみも全くない肌をしているけど、そんな冗談を言って笑う。
「次いついる？Aさんがいる時にAさんの好きな本また借りたい」
「いつだっけ。ちょっと確認する」
スマホのカレンダーを開いて、次の担当の日を確認していたら、手首を突然掴まれた。
「A、ちょっと来い」
「え？何？わ、待って」
真剣な顔をした樹に、そのまま腕を引かれて、話途中だった松村くんを置いて走っていく。昨日は追いかけられたと思ったら、今日は連れ去りですか。
左手はお弁当を持っているし、右手は掴まれたままで、つまり何も抵抗できないままに廊下を走り、階段を登る。
「ねぇ樹！」
何度呼んでも、無視される。屋上の思い扉を開け、外の風に吹かれてやっと、掴んでいた手を解放してくれた。
「ほんとに、なに？松村くんと話途中だったんだけど」
「そんなのどうでもいいだろ」
ハアハアと息を切らしているのは私だけで、樹は何だか涼しい顔をしている。ムカつく。
「何か緊急の用事？」
「いや、特にないけど」
「はぁ？特になくてここまで連れてきたの？」
なら尚更、ムカつく。中庭で待っていてくれてるであろう友達にも謝らなきゃいけないし、松村くんにも悪いことをしてしまった。そんな気持ちとは裏腹に、馬鹿正直に私のお腹が鳴った。
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Ne子(プロフ) - aさん» 嬉しいです…ありがとうございます！！ (2月29日 21時) (
レス) id: 58b12061de (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - Ne子さんのお話全部可愛くて面白くてきゅんきゅんします！これからも更新楽しみにしてます！ (2月27日 0時) (レス) id: 4b25b1d56f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2024年2月2日 0時
