光芒 II (ページ7)

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ジェシーさんは結局、俺より早く食べ終えて、2人分の代金を払って颯爽と去って行った。

なんなんだ。余裕も、佇まいも、纏う香りも全て、負けていた気がする。だけど、なぜだかAさんのことを託されてしまった。全て終わらせようと思っていたのに。俺に、彼女に触れる資格なんてないのに。なんなんだ。どうしたらいいんだ。あんな酷いことを言った手前、俺から何かできることなんてないような気がした。

「顔死んでんなー」
「よく言われる」
「いや、いつにも増して顔色悪いよ」
「うん」

反応わるー、とカウンター越しで笑われるけれど、今は樹に構う気力もなかった。ズルズルと残りのラーメンを啜る。黙っていたら、樹がオレンジジュースを机上に置いた。落ち込んでいる俺へのサービス、だそうだ。先ほどビールを飲んでいたジェシーさんとの対比で、オレンジジュースを飲む俺が、よりガキっぽく思えて嫌になった。