光芒 II (ページ15)

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言わなくちゃいけない。北斗くんと、ちゃんと話さなければいけない。そう重々分かってはいても、そう簡単に身体は動いてくれなかった。

北斗くんとのトーク画面に、『会いたい』そう打っては消しての繰り返し。朝からタスクの合間にそうしてばかりいたら、あっという間にお昼になっていた。仕事に身が入っていないことを、今日だけは許してほしい。

『Aちゃーん』

海人くんからの新しいメッセージが液晶の上部に顔を出しては消えた。

『今日はほっくんが久しぶりに実家帰ってきたんだよ！記念に写真撮ったー』

続けてバナーが表示されて、反射的に人差し指で押してしまった。瞬時に海人くんとのトーク画面に飛ぶ。

それからすぐに、北斗くんとの海人くんのツーショットが投下された。きっと海人くんがシャッターを押したのであろう近距離での自撮り。全力笑顔でピースする海人くんに対して、鬱陶しそうな顔をしている北斗くん。この反応は間違っているのかもしれないけど、微笑ましかった。

海人くんは時々こうして、まるで直接話しているみたいな温度でその日あったことを報告してくれたりする。でも北斗くんと連絡を取らなくなってから、その頻度が極端に増えた気がするから、きっと彼なりに気を遣ってくれているのだと思う。

海人くんが、北斗くんと家族を繋ぎ止めていたように、今度はきっと私と北斗を繋ぎ止めてくれているのだと思う。

だからこそ早くこの状況をどうにかしなければいけない。ただ、どうやってきっかけを作ろうか。冷静に考えて『会いたい』なんて送っても無視されてしまえば終わりだし、コンビニ裏で待ち伏せて無理矢理会っても、また拒まれてしまう可能性が高い。