光芒 II (ページ11)

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「俺はね、思うよ」
「なに」
「ほっくんはほっくんにしかない魅力がある！」
「なんでそんな自慢げなの」
「どうせさ、『俺はお父さん2号でしかないんだー』とか思ってるでしょ？」
「あぁ…」

どうしてこいつは俺の考えてることが分かるんだ。いつの間にか、俺よりも速いスピードで大人になっていたんだと思う。俺が思うより、海人はきっと、自分のことも、家族のことも分かっている。

「バーカ！」
「はぁ？」
「ほっくんがたとえ弁護士になっても、その他の道に行っても、ほっくんはほっくん。他の誰でもないよ」
「……そうか？」

「そうだよ！」と力強く肩を叩かれたら、本当にそうな気がしてくるから、海人は凄い。絶対に言ってやらないけど、凄く感謝している。

俺は、今まで、自分で作り上げた絶望や思い込みで、視界が塞がれていて、進みたい方向が見えなかっただけなのかもしれない。

「あとね」
「まだあるの」
「Aちゃんも話したいって言ってた」
「お前さ……」
「ん？」

感謝撤回だ。こいつは、お節介すぎる。開けなくていい扉まで激しくノックしてくるから、いつも変な汗をかいてしまう。

「いや、Aさんは、もう俺と関わりたくないと思う」
「それは、Aちゃんが言ってたの？自分の言葉で、言ってた？」
「……」
「どうせまたネガティヴな想像してるだけでしょ？」
「……」
「図星だー」
「うるせぇな」