Cheers【2】 (ページ31)

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ジェシーくんのことは、時々マリさんに会いに行った時に聞く。結局この一年で、ジェシーくんは夢をまた追いかけられることになったみたいだった。お父さんの会社の後任は、他の人が見つかったらしい。療養中のお父さんも、体調は安定していると聞いた。あと、許嫁との結婚もなしになった、とマリさんは言っていた。

何も変わっていないのは、私だけなのかもしれない。あの夏に取り残されて、ビー玉は捨てられないままで。でも一つだけ、ジェシーくんを想い続けていられる理由があった。一つだけだけど、今の私にはそれが全て。

『俺も大好きだよ。だから、待ってて』

去年の夏の終わりに返ってきた、ジェシーくんからのメッセージだ。『ごめんね。私はジェシーくんのこと、ずっと大好きだよ』なんて泣きながら送ったメッセージへの返信。読み返す度にあの時の胸の痛みを鮮明に思い出す、恥ずかしいくらい正直な私の気持ちだった。

『待ってて』その言葉の通り、私はジェシーくんを待っているのだ。約束もなければ根拠もないけれど、また会えるという自信は、なぜだかある。