Cheers【2】 (ページ21)

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「次こっちいいですか？」
「あ、了解！確認する」

ジェシーくんのスケジュールが落ち着いた後、今度は私が忙しくなる番だった。コンペでプレゼンした案が通ってたから、前線に立って具体化を進めてきて、秋前、つまり今やっとビジュアル撮影まで辿り着いた。

「良い感じ。このまま進めてください」

キャスト、制作会社、クライアント、の多方面に気を張っている。とにかくスケジュール、時間のミスがないようにと注意してきた。一つのプロジェクトの大詰めなのだ。撮影が終われば制作会社の出来上がりを待って、クライアントに満足してもらえれば無事完了だから、今が山場だ。

「お疲れ様です」
「おつかれー」

一度会社に戻るという森本と碧井と別れて、私は撮影現場から直帰する。電車に揺られて最寄り駅に着けば、甘いものが食べたくなって、最寄りの駅前のケーキ屋さんに寄った。今日は確かジェシーくんはお休みの日だから、一緒に食べたいな。後、もちろんマリさんの分も。3人分のケーキを買って、家まで歩いた。

「ただいまー」

靴を脱いで上がっても、返事はなかった。家には誰も居ないみたいだ。静かなリビングには、ただオレンジの西陽が差している。

買ってきたケーキを冷蔵庫に入れて、2人が帰るまで休もうと自室のベッドに飛び込んだ。