Cheers (ページ10)

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「次のお家が見つかるまで使ってくれて良いからね」
「えっ、それは…」
「だって、お家探すの時間がかかるでしょう？ここでゆっくり探せばいいわよ」
「本当にいいんですか」
「もちろん。家がもっと賑やかになって嬉しいし」
「……ありがとうございます」

「Aちゃんのお家、明日確認しに行って、洋服とかAちゃんの身の回りのもの新しく買いに行こ」
「え、ジェシーくん来てくれるの」
「あったりまえじゃん。1人じゃ不安でしょ？」

ジェシーくんは入口の壁に寄りかかったまま、本当になんて事ない様子で笑う。この短時間で致死量の優しさと暖かさに触れてしまっだ気がする。2人の顔を見ていたら、鼻の奥がツンとした。

「Aちゃん、泣きそうになってない？」
「……社会人になってからこんなに優しくされたことないもん」
「えぇ、俺が優しくするよ？」
「ジェシー！女の子の部屋なんだから入らない！」
「うそ。俺Aちゃんの部屋入っちゃダメなの？」
「ダメよ。どうせろくなこと考えてないから」
「ひでぇー」

ジェシーくんはマリさんに手で制されて、不貞腐れた顔でどこかに行ってしまった。

「あ、ジェシーくん行っちゃった」
「良いのよ放っておけば」

血縁関係はないと言っていたけれど、まるで親子みたいな2人だ。