Cheers (ページ27)

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「酔っ払って甘える女には絶対なりたくないです。慎太郎もそういう女は嫌いだと思う」
「めんどくさ！素直になったら？」
「素直になったら崩れそうじゃないですか…」
「関係が？」
「はい」

碧井は飲みすぎて顔が真っ赤だし、私もほぼ同量飲んでいるから、2人とも正常な判断が下せる状況ではないけれど、勢い任せも時には必要だと思う。

「意外と大丈夫だと思うけどね？私は」
「じゃあ突然私が慎太郎にボディータッチとかしだしたらどうですか？絶対引くでしょ」
「そうかな」
「あれだけ同僚？友達？みたいな距離保ってたのに、突然好きって言われたらどうですか？…もう考えたくもない」

碧井が勢いよく机に伏せるから、倒さないように彼女のジョッキを奥へ移動させる。私のことは散々いじってきたくせに、自分の恋になると弱気になってしまうのが、どうも憎めない。

「どう？森本」

ちょっと前から気づいていた、部屋の襖が開かれたことに。碧井は全く気づいていなかったから、私はその勢いを利用させてもらうよ。

「えっ？」

森本は驚きながらも、喜びを隠しきれていない。

「嬉しいっすね正直」
「だってさ」
「…嘘でしょどこから…」

碧井はバッと起き上がって目を見開く。その顔は、さっきよりもっと紅潮している。恐る恐る席に腰掛ける森本も、見たことないくらい顔が赤い。