Cheers (ページ13)

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「ちょー似合ってる！可愛い」
「…あ、よかった…」
「それ着て今すぐデートしたい！」
「有難いけど、言い過ぎだよ」

本当に人を褒めるのが上手いというか、気分を盛り上げるのが上手いというか。女の子の扱いが上手なんだろうなぁと、また思う。

「また嘘言ってるって思ってるでしょ？」
「あ、顔に出てた？」
「俺がAに言うこと全部本心だからね？お世辞じゃないし嘘でもないよ」
「うん。ありがとう」
「まだ信じてない顔してる」

不貞腐れるジェシーくんを置いて、着替えて試着室の外に出れば、ジェシーくんはもうお店のショッパーを持っていた。

「どういうこと？」
「在庫あったから新しいの出してもらった。もう支払い終わってるから」
「えっ嘘でしょ」
「だから本当だって！」
「なんで怒ってるの」
「Aが信じてくれないから！」

またジェシーくんは先にお会計していてくれた。流石に申し訳なくてお金を出そうとしたら、もっと怒ってしまった。全然怖くないけど。

他にも何店舗かお店を回って、「早速月曜日にジェシーくんが買ってくれたワンピース着て会社行こー」なんて浮かれて言った頃には、ジェシーくんの機嫌はすっかり良くなっていた。

「じゃあ明後日は1番に俺に見せてね」
「さっき見たじゃん試着した時」
「可愛すぎた衝撃で忘れちゃった」
「またそういうこと、」

バカみたいに勘違いしてしまうから、やめてほしい。

「てか月曜、大事なプレゼンあるから朝早く出るよ」
「俺早起き得意」
「お家からの距離も考えると、6時には出ないとかも」
「Aこそ起きれる？昨日も遅くまで作業してたよね？」
「え、なんで知ってるの？」
「夜中までAの部屋の電気付いてたから」
「気づいてたの」
「まぁね」

ジェシーくんは女の子の扱いが上手なだけじゃなくて、根本的な人間としての優しさとか気遣いが凄い。そしてさり気なく呼び捨てになってるし。そんなジェシーくんに、日毎に惹かれている自分がいた。