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「で、なにがあったの？」
「……この間ね」
「うん」
「例の彼に、会った」
「……え、ホントに？」
「行きつけのコンビニの店員さんだった」
「え！…..じゃあ今まで何度も会ってるってこと？」
「多分、そうだと思う。私が意識して見てなかっただけで、彼は私のこと知ってた」
「じゃあ、その子はもう既にAのこと気になってるってことじゃん」
「そんなことはないでしょ」
「え、あるでしょ。Aのことが好きなのかも」
「だから、飛躍しすぎ」
私を明るくしてくれてるのか、ただ単に若い男の子に興味があるのか分からないけれど、夏帆の脳内回線はいつもどこかを経由し忘れていて、笑ってしまう。
「彼と何か話した？」
「レジでお金返そうとしたら、自己満なので本当にやめてくださいって、また断られた」
「へぇ……面白い人」
「うん」
ここを出たら忘れてしまうようなやつなんで、と自分を卑下する彼を思い出す。
「なんか、育ちが良さそうで柔軟剤のいい香りがするのに、やっぱりもさっとしてるんだよね」
「ふーん」
「目の奥に影を感じるというか」
「…もう気になってるじゃん。その子のこと」
「気になってるのかな、これ」
「とりあえず、次は連絡先交換しよう。その子の素性も知りたいし」
「うーん。機会があったらね」
ここで私が前のめりになるのは、何だか恥ずかしい。
「あるね、またすぐ会えるよ」
「夏帆の勘？」
「そう。よく分かってるじゃん。私の勘は当たるから」
夏帆はまた、調子のいいことを言う。結構当たっているから、侮れないんだけれど。
新しい恋、ではないけれど、新しい出会いで恋の傷を忘れることが出来ると言うのは本当かもしれない。思い出して傷が抉れるような感覚を感じる時が、このまま徐々に減っていって、もう大丈夫って、いつか言えるようになりたい。
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akikuma(プロフ) - 切ないですね…大好き"だった"、好き"だった"人、過去形なのがなんとも切なすぎます😭みんな幸せになれー！って心の中で叫んじゃいました！ (9月27日 7時) (
レス) @page45 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
Ne子(プロフ) - akikumaさん» はじめまして！わーいありがとうございます😭 (9月26日 23時) (レス) id: c4997b2b87 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - はじめまして！大好きなお話です！！また更新されて嬉しいです🥰続き楽しみにしてます！ (9月26日 17時) (レス) @page42 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2023年3月30日 0時
