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「でもさー松村くん、勝手に落ちこぼれちゃってて、残念」
わざとらしく俺を「くん」付けで呼んでは、肩を落とす。全く残念そうには見えない顔をして。
「これからはさ、この写真の女に、貢いでもらって生活するの？それもそれで面白いね」
「帰れ」
「でもこの人、結構年上じゃない？何歳？満足できんの？(笑)」
彼女を揶揄うように気持ち悪く笑うから、もう無理だった。気づいたら、そいつの胸ぐらを掴んでいた。
「Aさんのことこれ以上悪く言ったら、」
自動ドアが開く。やたら明るい入店音が俺を現実に引き戻した。胸ぐらを掴んでいた手を離す。出来る限り、乱暴に。それくらいの勇気しかない俺を、許してほしい。
「まあまあ、そうムキになるなって」
そいつはわざとらしく服をはたいて、それから「じゃあね落ちこぼれくん」と上機嫌に自動ドアを抜けていった。
思わずしゃがみ込んだ。胸が苦しい、呼吸が辛い。やっと見つけた「俺が俺である意味」さえ、取り上げられて遠くへ投げられたような気がした。
俺は一度逃げた。だけど、Aさんと出会って、自分のペースでここから抜け出そうとしたじゃないか。俺は何になりたいのか、どうやって、誰のために生きたいのか、前向きに、考え続けていた。ゆっくり建て直していた砂の塔が、静かに崩れていく。
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akikuma(プロフ) - 切ないですね…大好き"だった"、好き"だった"人、過去形なのがなんとも切なすぎます😭みんな幸せになれー！って心の中で叫んじゃいました！ (9月27日 7時) (
レス) @page45 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
Ne子(プロフ) - akikumaさん» はじめまして！わーいありがとうございます😭 (9月26日 23時) (レス) id: c4997b2b87 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - はじめまして！大好きなお話です！！また更新されて嬉しいです🥰続き楽しみにしてます！ (9月26日 17時) (レス) @page42 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2023年3月30日 0時
