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「正直さ、…まだ好きだよ」
「……え？何言ってんの」
「俺の忘れ物、全部持ち帰るから。聞いてほしい」
ウィンカーのカチカチという音が、耳を通って真っ白になった脳を揺らす。前方車の赤いライトが、車内を照らしていた。
「好きだよ。まだ、Aのことが」
「…ちょっと待って、あの時、ジェシーが私を」
「うん。俺が、振ったね。Aが俺のこと好きなのか、分からないから、別れようって、言った」
「そうだよ」
「別れるっていう選択以外は、本心だった」
「……どういうこと？」
「Aはいつでも俺の意見を優先してくれたし、なんでも肯定してくれたけど、それって、どっかで俺に飽きてんじゃないのかなって、考え始めたら止まらなくて」
あの時と同じ顔をする。別れを告げられたあの日と。振った側なのに泣きそうな顔をしていて、泣きたいのは私の方だ、なんて心の中で思っていた。
「俺から抱きしめると、Aは返してくれる、同じだけの力で。だけど、Aから求めてくれることはなかった。それが、いつもちょっとだけ辛くて、ちょっとだけ不安だった」
「……」
「このまま俺と一緒にいたら、Aは幸せになれないんじゃないかって思ったから、だから、別れようって言った」
信号が青に変わって、ゆっくりと車が走り出す。あの日には語られなかったジェシーの本心。全部全部、私を思っての行為だったんだ。「自分勝手だ」なんて思ってしまっていたことを、後悔する。だって誰よりも私自身が、自分勝手だ。
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akikuma(プロフ) - 切ないですね…大好き"だった"、好き"だった"人、過去形なのがなんとも切なすぎます😭みんな幸せになれー！って心の中で叫んじゃいました！ (9月27日 7時) (
レス) @page45 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
Ne子(プロフ) - akikumaさん» はじめまして！わーいありがとうございます😭 (9月26日 23時) (レス) id: c4997b2b87 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - はじめまして！大好きなお話です！！また更新されて嬉しいです🥰続き楽しみにしてます！ (9月26日 17時) (レス) @page42 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2023年3月30日 0時
