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「あ、自己紹介しよう」
「うん」
「俺の名前は、かいと。海に人って書いて海人ね」
コンビニから程近くにあるという彼の兄の家まで歩きながら海人くんは、自分の話を沢山してくれた。ここから少し距離のある都会の、有名な私立高校に通っているらしい。スポーツでも学業でも名の知れている、所謂名門校だ。思えば、彼の着ている制服には見覚えがある。テレビで見たことあるかもしれない。
彼の兄は大学生だけれど、突然に家を出て行ってしまったから、ご両親も心配しているらしい。何らかの出来事で繋がりを切ってしまった兄を説得するでもなく、こうして時たまお母さんが作った料理を一緒に食べたり、適当に話したりしながら、お家と兄を仲介する役目を果たしてると話す。軽やかな口ぶりとは裏腹に、その横顔はどこか大人っぽく見えた。
辿り着いたアパートの3階。チャイムを押す海人くんの後ろに立つ。
「俺はね、ほっくんのこと、大好きなんだよ」
「ほっくん？」
「あ、ごめん。兄ちゃんの名前、ほくとって言うんだけど、物心ついた頃からほっくんって呼んでるから、つい出ちゃった」
「ほくと……」
ほくと、という名前には聞き覚えがある。そう、つい最近出会った彼の名前。私が会いたい、彼の名前。
「寝てんのかな」
海人くんがもう一度チャイムを鳴らす。ここから出てくるのが、あの北斗くんなら良いなと思った。でも一方で、心の準備ができている訳でもない。
少しして、ゆっくりとドアが開く。
「あ、ほっくんやっほー」
「お前何度もチャイム鳴らすなって……え？」
「……北斗くん」
「……Aさん。なんで」
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akikuma(プロフ) - 切ないですね…大好き"だった"、好き"だった"人、過去形なのがなんとも切なすぎます😭みんな幸せになれー！って心の中で叫んじゃいました！ (9月27日 7時) (
レス) @page45 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
Ne子(プロフ) - akikumaさん» はじめまして！わーいありがとうございます😭 (9月26日 23時) (レス) id: c4997b2b87 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - はじめまして！大好きなお話です！！また更新されて嬉しいです🥰続き楽しみにしてます！ (9月26日 17時) (レス) @page42 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2023年3月30日 0時
