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通り雨だったみたいだ。突然にザーッと降った雨は、突然に、ピタッと止んだ。バス停の屋根から落ちる水滴が、コンクリートにできた水溜りを揺らす。
「止みましたね」
「うん。よかった」
「お家、どこですか」
「ここから3分くらいのマンションです」
「こっち？」
「うん。こっち」
「送ります」
北斗くんは、私の家の方向を指差して、水溜りを跨ぐ。その流れがあまりにもスムーズだから、送りますって言葉に、危うく納得しそうだった。
「いや、いいよ。大丈夫です」
「俺の家の方向もこっちだから」
「ホント？」
「本当」
「本当にホント？」
「……嘘、なんですけど」
「なら、」
大丈夫です。そう断ろうとしたのに。北斗くんはもう一度水溜りを跨いで、近づいた。見上げれば、熱っぽい瞳が私を見つめる。
「Aさんと、まだ一緒に居たいから」
「だめですか」
だめじゃない。だけどだめ、な気もする。なぜだろう。
「あと、このハンカチも、洗濯して返します」
「いや、いいよ。このまま返してくれれば」
「いや、礼儀として」
「要らないよ、礼儀とか」
「あのっ……」
北斗くんは、私のハンカチを握りしめて俯いた。
「また会う口実が欲しいんです」
また会う口実。それは偶然の関係ではなくなるってことで。こんな出会い方は初めてだから、どうしたらいいのか、全く分からないけれど、なんとなく気づいてはいる。
「放っておけない」そう真っ直ぐ見つめてくれた北斗くんに。耳を赤くしながら、「無理しないでね」と慰めてくれた北斗くんに。
私も今、同じことを感じている。
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akikuma(プロフ) - 切ないですね…大好き"だった"、好き"だった"人、過去形なのがなんとも切なすぎます😭みんな幸せになれー！って心の中で叫んじゃいました！ (9月27日 7時) (
レス) @page45 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
Ne子(プロフ) - akikumaさん» はじめまして！わーいありがとうございます😭 (9月26日 23時) (レス) id: c4997b2b87 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - はじめまして！大好きなお話です！！また更新されて嬉しいです🥰続き楽しみにしてます！ (9月26日 17時) (レス) @page42 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ne子 | 作成日時：2023年3月30日 0時
