【WT】白砂糖は何グラム？【短編集】

お菓子の家に幽閉【赤】 ページ45

「もう、勝手にいなくなっちゃダメでしょ？」


ずるずると後ずさりする彼女を壁際まで追い詰めて、そっと両手で頬を包み込む。飴玉みたいに綺麗な瞳が不安げに揺れて、僕の劣情を煽った。


「誰かに悪い事を吹き込まれたんだよね。でも大丈夫。僕が悪い奴みーんなやっつけてあげるからね」


僕の可愛い、世界で1番愛しい妹。


生まれた時から彼女は僕の加護の対象で、何よりも守るべき存在。絶対に他の誰の手にも触れさせない。僕だけの天使。


「さ、お家帰ろっか」


2人だけの愛の巣へ。誰にも邪魔させない。


「今日の夜ご飯はAの好きなハンバーグにしようと思ってるんだ。楽しみにしててね」


彼女を虐げる母親も、

甘言を囁く魔女達(ともだち)も。



ぜんぶぜーんぶ消しておいたからね！




だから安心して僕のそばにいてね。


「愛してる。僕の可愛いA」











(こんなのおかしいよ、お兄ちゃん)

(そんな言葉は私のせいで狂ってしまった兄には言えなかった)

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モチーフ：ヘンゼルとグレーテル

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