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「______、___________?」
「……ん、」
「ごめん、寝ちゃってた?」
うとうと、半分くらい夢見心地でいたら名前を呼ばれたのが聞こえる。申し訳なさそうに眉を下げるきんときの姿が映った。
「さつえい、おわった…?」
「うん、終わったよ。ごめん、せっかく家に来てもらってたのに」
「んーん。いいよ、気にしないで」
「この後どうする?どっか出かける?」
時間はおそらく夕方近く。夜ご飯を食べに出かけるくらいはできるかもしれないけれど、どうにも外へ出る気にならなかった。
「今日はいいや」
のっそりと起き上がった私は目の前にいたきんときの胸の中に倒れ込んだ。彼は「わ、」と声を発しつつもしっかり受け止めてくれた。
「ごめんね、寂しかったね」
「……さみしくないし」
「俺のジャージ着ちゃうくらいだもんね?」
「違うってば」
「明日は出掛けよっか。行きたいって言ってたカフェ行こう?」
「…行く」
きんときの方を見上げると、くつくつと笑っているのが目に入る。
「……子供扱いしないでくださーい」
「してないしてない」
「笑ってるじゃん!」
むす、と不満げな顔を浮かべるとぽんぽんと頭を撫でられる。……こうすれば私の機嫌が直るって分かってるんだろう。ずるい人。
そう思っていると、きんときはそのまま私の後頭部に手を添える。ぐっと距離が近づいて唇を塞がれた。触れるだけのキスは段々と深くなっていき、舌先同士が触れ合う大人のキスへ。
「ん…ぁ、きんとき、っ」
「っ、…ん」
ぴちゃ、と水音が部屋に響く。思考がぼやけて何も考えられず、ぎゅっときんときの服を掴んだ。舌を追いかけられ、絡め取られ、ようやく離れた時にはすっかり息が上がってしまい、再び彼の胸へと倒れ込んだ。
「子供はこんなことしないでしょ?」
「……ばか。そういう事じゃない」
息を整えていると、するりと服の中へと手が侵入してくる。驚いてきんときの方を見ると、欲の孕んだ青の瞳に見つめられて心臓がドキリと音を立てた。
「続き、してもいい?」
その言葉にこくりと頷くと、ゆっくりとソファに身体が沈んだ。
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ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。励みになります。 (2023年4月16日 20時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - 最近とても更新してくれて嬉しいです!これからも頑張ってください!! (2023年4月14日 6時) (レス) id: 06d1bec9da (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» こちらが明記してなかったのですみません…。そのつもりでした。ただマフィアパロはいつか書きたいなとは思っていますのでもし時間ができれば頑張りますね。コメントありがとうございました。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あいりす(プロフ) - ぽんこつらーめんさん» 何処かにかいていましたか!?そしたら申し訳無いです…。 (2023年2月18日 16時) (レス) id: 255513ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつらーめん(プロフ) - あいりすさん» コメントありがとうございます。折角リクエスト頂いた所申し訳無いのですが一旦リクエストは1人1回までとさせて頂いております。申し訳ございません🙇 (2023年2月18日 15時) (レス) id: 458486b0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽんこつらーめん | 作成日時:2022年12月31日 20時