持てる汝 ページ32
Aの纏う雰囲気は可憐で和らぐ。
どの女とも違う、彼女特有の優しさ溢れる和やかな笑顔。
当然、それに惹かれない男など居ないわけで…
＊＊＊
剣心とAが結婚して暫くしてからある日。
剣心「おろ？」
玄関先でAと何者かが話していた。
近くに住む若い男のようだ。
剣心「少々妬けてしまうが…仲が良いのは良いことでござる。」
剣心も特に気に留めずに居た。
＿＿数日後の晩のこと。
『剣心、ちょっとええやろか。』
剣心「ああ。」
剣心は読んでいた書物を閉じると襖を開ける。
するとそこには何やら深刻そうな顔をした彼女が立っていた。
剣心「どうした？」
『あの…近所に住んではる祥太郎はんっておるやろ。』
片丘祥太郎。
要約するとこの男がAに付きまとっているとか。
剣心「それは困ったな。俺もよく知らない人だが…」
『そ、そうやね。ごめん。』
剣心「あ、待っ…」
剣心の引き留める声も聞かずにAは襖を閉めてしまった。
＊＊＊
翌日、Aは食材を買いに街へと来ていた。
「あれ？Aさんじゃあないですか！」
『え？…あ、祥太郎はん。』
声を掛けてきたのは昨夜剣心に相談した、片丘祥太郎。
下心しか見えないこのへらへらとした笑顔がAは苦手だった。
祥太郎「そうだ、ちょっと来てください。」
『へ、へぇ…』
彼に呼ばれていったのは、人目もない裏路地。
祥太郎はヤケに真剣な顔つきで言い始めた。
祥太郎「僕は貴女が好きだ。」
『へ…へぇ。おおきに。』
祥太郎「僕と付き合ってくれませんか。」
『それは出来まへん。うちには夫が居りますのんで。』
祥太郎「…夫？」
どうやら結婚していることを知らないらしかった。
しかしそれを知った祥太郎は狂ったように笑い出した。
祥太郎「ハハハッ！だったら別れて下さい。ね？その人より絶対僕の方が魅力があるよ。別れないなら二人とも殺すよ。ね、早く別れてきてよ。」
祥太郎が力一杯Aの腕を捻り上げた。
Aが小さく悲鳴を上げる。
『い、いや！！』
祥太郎「ほら早く言って下さい！別れるって！」
『いや…助けて…』
意識が朦朧としたその時、ふと右腕が楽になった。
『え…？』
ふと顔を上げればそこには。
剣心「俺の妻に手を出すな。」
Aを背に庇い、剣心が立っていた。
【続→】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kei - 柚姫さんのるろ剣作品、令和になって一気読みしました!!令和版アニメも始まって再ハマりで笑。全作品キュンでありがとう…ほんっとに素敵なものばかりでした!!見入ってしまい本当に楽しかったしキュンしたし出会えてよかった!!また別作品も読ませて頂きますね (8月24日 22時) (
レス) @page38 id: 0ea605babb (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - キャア、けんしんたら、子供がほしいのかあ、続き楽しみにしてます (2019年6月4日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - ミッピーさん» 読んでいただいてありがとうございました!!!るろうに剣心夢小説少ないですよね。。私はほぼ自己満足で書いてます笑笑是非他の作品も見てやってくださると有難いです。。!!! (2018年1月14日 1時) (レス) id: 4c2d183821 (このIDを非表示/違反報告)
ミッピー(プロフ) - 最高でした！！るろ剣の夢ってあんまし需要ないんですかね？？探してもそんなに沢山出てこない(><)好きなのがマイナー多めと言う切なさｗｗ (2018年1月6日 0時) (レス) id: a91870086a (このIDを非表示/違反報告)
柚姫 - コメントありがとうございます！そう言ってもらえると、とっても嬉しいです！ (2016年10月20日 0時) (レス) id: 3ebe891132 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚姫 | 作成日時：2016年9月26日 18時
