伍拾捌 ページ10
翌朝
Aは弥彦と薫の怒涛の声で目が覚めた。
『朝から元気やねぇ…』
ゆっくりと起き上がり羽織を着ると襖を開ける。
剣心「おろ、A。随分早いな。まだ八時だぞ?」
『ほんならあのお二方に言っておくりやす。』
ご機嫌斜めのAはぶすっとして言った。
彼女の恨めしそうな視線の先は薫と弥彦…
剣心「ああ、なるほど。」
剣心も納得したようだ。
薫「あ、Aさんおはよう!珍しいわね!こんなに朝早く!」
『ええ…おはようさん。』
何の事情も知らない、Aの不機嫌の原因に剣心が苦笑する。
弥彦「やーい!どこ見てやがんだよブス!」
薫「まぁたブスって言ったわねぇぇぇぇ!?」
剣心「ははは…あ、そうだA。これから街に行くんだ。一緒に行かないか?どうせこのままでも眠れないだろ。」
『うん、行く。』
やはりぶすっとしたまま頷くAに剣心は思わず噴き出した。
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剣心「人が凄いな。」
『そうやね。』
買ったものを担ぎ直す剣心は、人の多さに唖然とした。
対するAは眠いやら人が多いやらで一層不機嫌になっていた。
剣心「何処かで休もうか。」
『ん。』
剣心とAは、ちょうど昼ということもあり、そこにあった赤べこへと入った。
剣心「妙殿、席は空いているでござるか?」
妙「あら剣さんとAちゃん。いらっしゃい。奥、空いとるよ。」
剣心「かたじけない。さ、A。行くよ。」
『ん。』
妙「あら?Aちゃんどうしはったん?具合悪いん?」
あまりにも暗いAの様子に違和感を感じた妙は剣心にコソリと聞いた。
剣心「いや、眠いだけでござるよ。」
妙「あら、可愛い。」
動くのを渋るAを何とか引っ張ると、やっとのことで彼女を席に座らせた。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました!!とっても面白くて、最高でした!「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています!色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので!頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年8月27日 22時