伍拾伍 ページ7
翌日
昼食を食べに剣心一行は赤べこへと向かっていた。
『ん〜…まだ眠い…』
剣心「しっかりするでござるよ。」
眠たそうなAは足取りも確かではない。
薫「牛鍋なんて食べたことないわ！楽しみね。」
あやめ「うん！楽しみ！」
すずめ「楽しみっ！」
あまりにも楽しみ過ぎて三人は足早に歩いて行く。
対照的にのんびりと歩くAとそれを急かす剣心はどんどん置いて行かれた。
剣心「まあいいか…ん？」
剣心が何かに気付いた。
向かいからやってくる少年。
不審に思い見ていると、その少年は店を見ていた老人客の懐から財布を抜き出した。
剣心「…」
しかし。
その老人の連れの子供を見て居た堪れなくなったのか、奪った財布をそのまま子供に持たせた。
『ええ子やね。』
剣心「ああ、そうだな」
Aの言葉に小さく相槌を返した剣心。
彼は、歩いてくる少年の頭をポンと叩いた。
「なっ！？何しやがんだ！？」
剣心「いや？優しい子だなと。」
薫「剣心！Aさん！遅いわよ！」
剣心「おろ〜？」
剣心は拳骨を頭に喰らい、星を散らして薫に引きずられて行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
薫「美味しかった！」
『ほんまやね。』
剣心「拙者も初めて食べたでござるよ。」
あやめ、すずめと別れ呑気に橋を渡っていた時だった。
どんっ
剣心「おろ？」
先程の少年がぶつかってきたのは。
薫「剣心！この子スリよ！これ貴方の財布でしょう！？」
逃げ行く少年を薫が間一髪で捕まえた。
「ちくしょう！離せこのブス！」
薫「な、なんですってぇ！？」
剣心「まあまあ…」
剣心は自分の財布をそのまま少年の手に握らせる。
剣心「スられたものは仕方がない。坊主、次は捕まるなよ。」
「！！」
すると今度はAがその少年の前に屈み込んだ。
『お膝、お怪我されたやろ？』
「あっ…」
先程の薫のお陰で怪我をしてしまったらしい。
薬草を手際よく準備すると、少年の傷を手当てした。
『お大事にね。』
剣心「さあ薫殿、A行くでござるよ。」
少年はしばし呆気に取られていたが、突然剣心に財布を投げつけた。
剣心「おろ！？」
『！？』
剣心の足が凄い方向に曲がる。
「俺は坊主じゃねえ！東京府士族明神弥彦！他人から哀れみを受けるほど落ちぶれちゃいねぇんだ！」
少年はそう叫ぶとさっさと走っていってしまった。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
