玖拾肆 ページ46
斎藤「随分と遅い登場だな。」
剣心「…」
薫「剣心、藤田さんを知っているの？」
目を吊り上げたまま言の葉を発しない剣心を恐る恐る見た。
剣心「…そうか、今は藤田と名まで変えたのか。元新撰組三番隊組長斎藤一。」
薫「新撰組！？」
弥彦「ってことはこいつが剣心を狙ってたのか！？」
剣心「十年。言葉にすれば二文字だが人を腐らせるには十分な期間のようだな…」
既に�爐瓦兇覘瓩里弔�ない彼の口調に薫と弥彦に緊張が走った。
薫「けん…しん？」
Aはそんな中既に道場を去っていた。
＊＊＊
『左之助はん、大丈夫？』
Aの声に目を覚ました左之助。
心配そうに自分の顔を覗き込んでいる。
左之助「……A…か…」
暫く眠り、先程ようやく起きたらしい。
声が掠れ、聞き取るのも容易ではない。
『待ってね。今お水持ってくるから。』
左之助「おう…」
Aは湯呑みに井戸の水を汲み、左之助の口元まで持っていき飲ませた。
左之助「すまねえな、A。随分楽になった、ありがとよ。」
『いえいえ。他にやってほしいこと、ありませんか？』
左之助「体、拭いてくれ。汗で気持ち悪りぃ…」
『へえ。』
予め沸かしていた湯で手拭いを濡らすと左之助の背中を拭いた。
左之助「…今、剣心は何してんだ？」
『お客はんのお相手どす。』
左之助「客？」
『…左之助はんに傷を負わせた男。』
左之助「！」
『行ってみますか。肩くらいならお貸しできます。』
左之助「ああ。」
左之助はAの肩に腕を回すと、鈍った体を動かした。
左之助「(細えな…)」
あまりにも頼りなさげな華奢な体とは打って変わり、身を預けることには安心感があった。
左之助「(いけね、こんなにジロジロ見てたら剣心に怒られちまう。)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
