玖拾参 ページ45
『あかん…遅うなってしまった…』
Aは下駄をコロコロと鳴らしながら家路を急いでいた。
いつもの豆腐屋の主人が風邪をひいたというので別の店を駆けずり回っていたのだ。
積み重なる不運に思わず顔を顰める。
予定よりも随分遅くなり、薫の身も心配だ。
Aは神谷道場へなるべく急いだ。
＊＊＊
『薫ちゃんただいまぁ。』
薫「Aさん、おかえりなさい！遅かったわね。」
『ちょっと一悶着あって…それより何もあらへんかった？』
すると薫が神妙な顔つきになって続ける。
薫「それがね、剣心が狙われてるらしくて…」
全身の血の気が引くのがわかった。
『薫ちゃん…どこでその話を…』
薫「警察の方が今さっき来てくださったの！これで安心ね。でも、肝心の剣心ったらどこ行ったのかしら…」
『警察の方が…。薫ちゃん、もう少しで剣心帰ってくるからここで待っててあげて。うちはその方とお話ししてくるから。』
薫「分かったわ。」
あの男しかいない。
警察で剣心を狙う�狡ニ椰有�
Aは予め茶を用意すると道場に入った。
『こんにちわぁ、警官はん。お勤めご苦労様どす。』
男の側まで行くと、慣れた手つきで茶を淹れてやる。
「…いえいえ、わざわざありがとうございます。」
顔は柔かなのに何処か緊張感のあるその雰囲気に竹刀で遊んでいた弥彦は戸惑った。
弥彦「おい、Aどうしたんだよ。」
『何もあらへんよ。どうしたん、急に。』
弥彦「い、いや…。あ！俺薫のとこに行ってくる！」
『ええ、いってらっしゃい。』
いつものAとは打って変わり恐ろしい雰囲気に耐えられなくなった弥彦はとうとう道場を飛び出した。
「…胡蝶、どういうつもりだ。」
男は言う。
『あんさんが勝手なことしはりまへんよう、ここで見張っとりますのや。のう、一はん？』
斎藤「フッ…流石だな。抜刀斎とはまるで違う。」
憤怒と緊張から出てくる彼女の強い京なまりに斎藤は思わずほくそ笑む。
『何をしに来はったの？』
斎藤「抜刀斎の力量を測るため…と、表向きでは言われているが。」
『…斬りますか。ここの人達みんな。』
斎藤「まさか。俺を刃衛のような殺人鬼と一緒にするな。…胡蝶、志々雄真実を知っているか。」
『…ええ。』
斎藤「其奴が京都にいる。」
『京都…。』
薫「Aさん剣心が帰ってきたわよ！」
道場の外から聞こえる薫の声に斎藤はニヤリと笑った。
斎藤「ようやく来たか。」
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
