【るろうに剣心】胡蝶蘭 〜明治ノ巻〜【緋村剣心】

伍拾参 ページ5

『薫ちゃん！それはあかんよ！？』

薫「ええっ！？」

魚を下処理無しで焼こうとした薫を必死で止める。

2人で作り始めてからかなりの時間が経っていた。

剣心「…大丈夫でござるか？」

あまりにも心配だったので、剣心が厨を覗いた。

『あかん、剣心も手伝って…』

剣心「おろ。」

疲労困憊な様子のAは薫の壊滅的な不器用さに、剣心に泣きつく。

剣心「わかったわかった、Aは少し休むといいでござるよ。」

『ほんまおおきに…』

薫「なんか…ごめんなさい。」

剣心「初めは仕方がないでござるよ。さ、薫殿。もう少しでござる。」

薫「うん…！」
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「「『出来た！！』」」

形は不格好だが、何とか食えるほどの料理になった膳を見て、三人は満足そうに笑った。

『薫ちゃんお疲れ様。』

薫「ありがとう！2人のお陰だわ！」

剣心「よかったでござる。さ、頂くでござるよ。」

とにかく、もう厨に薫を立たせまい。

剣心は強く心に決めたのであった。
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『剣心、お風呂ええよ。』

剣心「うん…」

疲れて横になっていた剣心は夢現に返事をした。

『疲れた？』

剣心「うん…」

『お風呂上がったら肩叩いてあげるから、頂いてきて？』

剣心「うん、わかった。」

Aは、剣心の子供のように素直に頷く姿が何だかおかしくて、笑ってしまった。

剣心「ん？」

『何でもないよ。はい、いってらっしゃい。』

剣心「ああ。」

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