捌拾捌 ページ40
剣心「落ち着いた？」
剣心は自分の腕の中にいるAに声を掛けた。
『ええ…おおきに。ごめんね』
剣心「いいや。それより、どんな夢を…？」
彼がそう聞くと彼女は顔を曇らせる。
『…土方はんの。』
剣心「そうか…。」
剣心は眉根を寄せた。
あの男は自分の欲するもの全て奪っていく…
今は亡き、戦術の天才と謳われた男を酷く憎んだ。
『でも、何か…雰囲気が違うてた…』
剣心「え？」
『いつもなら楽しい思い出やのに、今日のは悲しい夢やった。…これから、多分何かあるんやないやろか。』
Aは少し考えたあと、諦めたように苦笑する。
『ダメ。やっぱり分からへんな。』
剣心「分からないなら、それでいいよ。さあ、飯をまだ食べていないだろう。準備してあるよ。」
『せやね。おおきに、剣心。』
しかし剣心はその彼女の一言がずっと引っかかっていた。
剣心「(何かある…か。思い過ごしならいいのだが。)」
＊＊＊
『これ、薫ちゃんが作ったの？上手になったんやね！』
薫「でしょう？でもやっぱり左之助と弥彦は食べてくれないのよ…」
分かりやすい程がっかりと項垂れる薫。
『勿体無いね。なら、うちからもお声掛けさせて頂きます。』
薫「ありがとうっ！！」
薫はAの言動の嬉しさに思わず抱き付いた。
『ご馳走様でした。薫ちゃん、お風呂入ってきたら？』
薫「うん！そうするわ！」
彼女はご機嫌で風呂へ向かっていった。
『…さて。』
Aは先程とは一変して表情を引き締め、雨戸を開けた。
『…何して、おられるのんですか。』
彼女の視線の先には
斎藤「ほう、知っていたのか。お前にバレていたのは意外だな。」
煙草を咥え、ニヤリと笑う斎藤がいた。
『人様のお家に勝手に入られて、そんな悠長な事言っとる場合やないやろ。警官はん？』
斎藤「ちっ…俺は唯一そういうお前の可愛くないところが嫌いだ。」
『それはおおきに。』
ぺこりと丁寧に頭を下げるあたりも本当に可愛くない。
もう一度舌打ちをするとAに手紙を投げた。
『…？これは？』
斎藤「土方さんからだ。」
『え？』
斎藤「お前宛の遺書みたいなものだ。渡せと言われていた。」
『そう…』
斎藤はそのまま何も言わずに去っていった。
にわかに信じがたい話ではあったが、確かにその手紙の表には愛しい彼の文字で、�犖嫩海忰瓩筏�されていた。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
