質拾玖 ページ31
『剣心、ありがとう。』
剣心「いや。大したことは無いよ。」
剣心はAに緩く首を横に振る。
『じゃあ、行ってきます。…あ、剣心。』
剣心「何だ？」
『…なるべく、急いで帰った方がええかもしれん。』
剣心「？」
『なんか、嫌な予感がするから…』
剣心「そうか…じゃあ、急いで帰るよ。帰りもここで待っていてくれ。」
『うん、じゃあね。』
ひらひらと手を振るAににこりと返し家路を急ぐ。
そして剣心が帰宅すれば、彼女の言う通り神谷道場では敵襲があったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『失礼いたします。』
大久保「待っていたよ。さあ、入ってくれ。」
ここのところ、いつも大久保内務卿の座敷に呼ばれている。
更に回を重ねる度に付き人が減っている。
今日はとうとう大久保1人となっていた。
『いつもありがとうございます。お仕事はお休みなんですやろか。』
大久保「ああ。最近は暇でね。」
『へえ…』
刺さるような彼の視線を感じつつ、他愛もない会話をしながら酌をする。
大久保「…ひとつ、いいか。」
『何ですやろ………。…っ！？』
大久保の言葉に顔を上げたその時。
Aは大久保の腕の中にいた。
『えっ…？』
大久保「私の、妻になってはくれないか。」
『っ…えっと…』
大久保の言動に戸惑うA。
彼の発する言葉を理解するのもかなりの時間を催した。
『お…奥方…？』
大久保「そうだ。」
『え…っと…う、うちは…』
すると彼は突然Aを離し、微笑んだ。
大久保「急に答えを乞うて悪かったな。…考えておいてくれ。」
そのまま彼は部屋を出て行った。
『(どないしよ…)』
お偉いさんの誘いを断るのは気が引けた。
しかし自分には剣心がいる。
片付ける間も、Aの気分は沈んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
