伍拾弐 ページ4
夕方になり、空も茜色に染まる頃
薫「Aさん!夕ご飯の準備が出来たわよ!」
道場に飯の良い匂いが立ち込めていた。
『はぁい!…剣心、起きて?御飯だよ。』
Aは自分の膝に眠っている剣心の耳元でささやく。
剣心「ん…」
剣心はその声に目を覚ますと、彼女の頬に接吻をした。
『っ!?』
剣心「…おはよう。A。」
悪戯っぽく笑う剣心に呆気に取られていると、彼はさっさと薫の呼ぶ方へと行ってしまった。
『…〜〜!!もう!』
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『…これ、薫ちゃんが作ったの?』
薫「ええ、そうよ!」
剣心「…。」
Aは夕餉の膳を睨んで重々しく口を開いた。
剣心は何も言うまいと固く口を閉じている。
『(剣心、どうしよう…うちもう食えへん。)』
剣心「(俺が作ればよかった…)」
目で会話をする2人に、薫が怪訝そうな顔をする。
薫「どうしたの2人とも。お腹痛いの?」
『あ、ううん。大丈夫…』
剣心「せ、拙者…ちと厠に行ってくるでござるよ。」
薫「ふぅん、いってらっしゃい。」
しかし食わねば腹が減る。
Aは意を決して膳に手を付けた。
『ゔっ…』
薫「えっ!?どうしたの!?」
やっぱりダメだった。
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薫「不味い…」
『あの…うちがもう一回作ってくるから…』
薫「お願いします…」
Aは襷で袖を縛ると、膳を片付けながら言った。
しかし、すっかり落ち込んでしまった薫に少々罪悪感を覚えたAは。
『うちと一緒に作ろう?』
こうして、Aの料理教室が始まった。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました!!とっても面白くて、最高でした!「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています!色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので!頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年8月27日 22時