質拾陸 ページ28
『う…ん、あれ…？』
翌朝五時頃。
まだ起きるのには早い時間だったが、Aはいつもとは違う体の重みで目が覚めた。
何事かと、視線だけを動かすと
『…剣心かぁ……』
隣で剣心が自分に抱きつくように眠っていた。
その寝顔は何だか純粋無垢な子供のようで、思わず笑ってしまう。
『ねぇ、剣心。』
しかし自分もまだ眠い。
少し気が引けるが剣心を揺り起こす。
剣心「う…A？まだ起きるのは早いよ。」
『ううん、違う。重いから体を退けて？』
剣心「うん…」
剣心はそう返事はしつつも何もせずそのまま眠った。
『もう…』
この状況でもう一度眠ることはできないAは、仕方がないので布団から剣心を起こさぬように出て、襖を開けた。
外はまだ朝霧がかかり、微かな朝日が差しこんでくる。
『ううっ…寒いなぁ。』
Aは自分を抱くように肩に手を置くとぶるっと身震いをした。
もう春にもなったというのにその寒さは冬のようだった。
『さて、ご飯作ろうかな。』
自分の頬を叩き、襷で袖を縛る。
厨に向かっていると、途中で大きな足が見えた。
『あれ、左之助はん…寒くないのかなぁ…？』
懲りずに茶の間で眠っている左之助だった。
草臥れたような法被を布団代わりにいびきをかいて寝ている。
これは起こしても起きない…
Aは、自分の部屋から布団を持ってきて彼に掛けてやる。
『何だか、早起きもええもんやね。』
普段は見られない皆の寝顔を見て、Aは小さく呟いた。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
