質拾伍 ページ27
結局皆が帰ってきたのはかなり遅くなってからだった。
剣心「A、起きているか？」
風呂から上がった剣心が彼女の部屋をちらりと覗く。
『はい、起きとります。』
剣心「入っても、いいかな。」
『ええ、どうぞ。』
Aはそう言うと襖を開け、剣心を招き入れた。
剣心「A、すまないが包帯を巻いてくれ。さっきの闘いで腕を斬られた。」
『…刃衛はんどすか。』
剣心「っ！何故…」
剣心の問いには答えず、彼の腕を撫でてやると包帯を巻き始めた。
『…剣心。』
剣心「ん、何だ？」
『…っ…』
剣心「なっ…！？何で泣いてるんだ！？」
突然彼女の瞳から溢れる大粒の涙に戸惑う剣心。
慌ててそれを拭いてやるが、いっこうに止む気配はない。
『…剣心が、心配やった…から…っ…』
剣心「！…そうか…すまん、心配かけたな。」
剣心はAの腕を引き、彼女の身体を包むように抱いた。
しゃくりを上げて泣く彼女をゆっくり撫でてやる。
『…刃衛はんは、亡くなってしまったの…？』
剣心「っああ…」
剣心はその事はもう何も言わせぬよう、Aの柔らかな長い髪を梳くように撫でる。
それを察したようにAはポツリポツリと別の話題を話し始めた。
『…昨日の晩、左之助はんの前で発作が起きてしまって。』
剣心「左之助に何かされたのか？」
剣心の腕に力が入る。
『好きや言われた。そんで、押し倒された。』
剣心「他は。」
更に力が入っていく。
『…鎖骨の下に接吻された。』
彼女の身体を少し離してみると、確かにそこには赤い印があった。
剣心はギリッと歯軋りをする。
『でも、怒らんといて。左之助はん、悪気があった訳やない。許してあげて。』
しかし、彼女の懇願する視線を見ると溜息を吐いた。
剣心「…仕方ないな。今回だけはAに免じて許してやろうか。」
『ほんまおおきに。剣心。』
剣心「その代わり…」
『っえ…きゃっ！』
剣心は悪戯っぽく笑うとAの腕を引き、布団に倒した。
剣心「今日は一緒に寝ようか。」
『っあ…』
顔を真っ赤に紅潮させるA。
剣心はその様子を満足そうに見ていた。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
