質拾弐 ページ24
『左之助はんおかえりなさい。…あら、剣心は？』
左之助「河原にいるが暫く帰らねぇ。黒傘に集中したいんだと。」
『そう…』
道場に帰れば左之助が帰っていた。
しかし共にいるはずの剣心が見当たらない。
聞けば彼は極限まで抜刀斎に戻るつもりらしい。
左之助「…その手首、どうした。」
『あ…』
左之助が怪訝な顔をして手首を指差す。
Aの白いそこには刃衛に掴まれたときの赤黒い痣がくっきりと残っていた。
『先程旧友に会いまして…』
そう答えると左之助の眉間に皺が寄る。
左之助「言い寄られたのか？」
『…まあ。』
左之助の眼光の強い眼差しは何だか目を合わせづらくて思わず足元を見てしまう。
すると突然体が浮いたかと思えば畳に寝かされ、左之助に押し倒される状態になっていた。
『…あ、の…？』
左之助「俺ァ、お前が好きだ。会った時から。」
『っ！？』
左之助「剣心のものだって分かっても、どうも諦めきれねぇ。なら…」
左之助がAの小さな唇に触れるだけの接吻をする。
『なっ…にを…』
左之助「剣心から奪ってやるよ、お前を。ちょうど今なら剣心も居ねえしな。」
左之助はそう言うとAの着物の襟を力任せに広げ、鎖骨の下に大きな印を付ける。
『っ…あ…やめ…っ』
必死に抵抗しようとするが女の力では到底敵わない。
みるみるうちにキツく身に纏った着物がはだけていく。
＿＿＿…なぁ胡蝶、お前はどうせただの女だ。
＿＿＿…芸妓だなんてこのご時世通じねえんだよ。
＿＿＿諦めな。
『いっ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！』
左之助「っ！？」
人が変わったように暴れ始めたAを必死で宥める左之助。
左之助「わっ…悪い！どうしたんでぃ！？」
ガタガタと震える彼女に慌てて着物を着せ、頭を撫でやる。
『っ…怖いっ…助けて…！』
左之助「…俺が守ってやらぁ。安心しな。」
『っ…あ…』
Aはその言葉を聞き、暴れるのを抑えた。
代わりにポロポロと涙を零して泣き始めた。
そんな彼女を左之助は自分の胸に抱く。
左之助「(どうしたってんだ…あんなに穏やかなAが…あー、ちくしょー…やっちまったな、俺の馬ァ鹿)」
左之助は面倒そうに頭をガリガリと掻いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
