陸拾質 ページ19
剣心「A。」
せっかく彼女のために風呂をもう一度沸かしたのに肝心のAがまだ部屋から出てこない。
何度も襖を叩いては、名を呼ぶ。
剣心「…?開けるぞ?」
あまりにも無さすぎる反応に違和感を感じた剣心は、そっと襖を開ける。
剣心「A…!?」
そこには、倒れているAがいた。
剣心は、彼女の側に慌てて駆け寄る。
しかし彼女は眠っていただけで、規則正しい寝息を立てていた。
剣心「はぁ…心臓に悪い…」
そして改めてAの寝顔を眺める。
まだ化粧は落としていないらしい。
何時もより赤く染まる唇と頬はより一層彼女の艶やかさを引き出す。
頬に落ちた睫毛は長く影を作り、小さな鼻はくっきりとしている。
剣心はそんなAに見惚れつつ、綺麗に結ってあった髪を丁寧に解いていった。
すると、そのくすぐったさにAがうっすら目を開く。
『ん…けん、しん?』
剣心「そうだよ。風呂を沸かしている、入れるか?」
『うん…』
Aは重い体をゆっくり持ち上げると剣心の胸に飛び込んだ。
剣心「っ!?」
『…疲れた。』
剣心「そうか。お疲れ様。」
『ん。』
Aは剣心の返答に、満足したように笑うと夢現に風呂に向かっていった。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました!!とっても面白くて、最高でした!「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています!色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので!頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年8月27日 22時