陸拾肆 ページ16
日が傾いつつあっても剣心は帰ってこない。
赤べこで会ったあの大男。かなり殺気立っていた…
人の良い彼のことだ、また何かに巻き込まれているのではないか…？
Aは、何故か皆出掛けている神谷家の縁側で、1人はぁ…と溜息を漏らす。
『あ…そうや、うち出掛けんといかんのや。』
お座敷に呼ばれたのをすっかり忘れていたAは、今日買った着物を抱え、部屋へと入っていった。
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『変やないやろか。』
久方ぶりに見る自分の着飾った姿。
かつて胡蝶と呼ばれた自分もやはり人間であり、年を取った。
若い頃より僅かに落ちた化粧の乗り具合に鏡の前で再び溜息をつく。
しかし、彼女が纏う綺麗な藤色の着物には袖が動く度に舞う美しい金色の蝶があしらわれ、
それに似合う山吹色の帯留めや蝶の髪飾りを身に纏う彼女は人々の視線を奪うには十分過ぎた。
『さて…お琴の準備せんと。』
唇に紅を引き終え、Aは綺麗に布に包まれた自分の相棒兼商売道具を引き寄せる。
一本一本、弦を弾きつつ音を合わせていく。
そして最後の調弦が終わったところで…
薫「ただいま！！」
『やっと帰ってきた』
薫の元気な声が聞こえた。
その後ろで弥彦と剣心の声も聞こえる。
『おかえりなさい。』
薫「な…Aさん！？」
『はい？』
普段は決して化粧などしないAが紅を引いている。
薫はその何とも言えない色気に顔を真っ赤に染めた。
剣心「おろ、そうでござったな。ちと待つでござるよA。送っていくでござる。」
『ええの？ありがとう。あ、そうそう薫ちゃん。お夕餉作っておいたよ。』
薫「え…あっ、あありがとう！」
Aに見惚れていた薫は情けない返事をした。
薫「(あんなの反則よ…女でも惚れちゃいそうだもの…)」
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
