陸拾弐 ページ14
翌朝
薫「剣心っ!!」
剣心「やあ、薫殿。弥彦。良い朝でござるな。」
弥彦「何呑気なこといってんだよ!やめとけよ!あんな奴と喧嘩なんて!」
剣心「そういう訳にもいかぬでござるよ。あれは喧嘩屋としての喧嘩。拙者がどうこう言える立場ではないでござる。」
昨日の夜見た光景を思い出し、必死に止める薫と弥彦を軽くあしらう剣心。
弥彦「でも…」
剣心「おろ、そろそろAを起こさねば。」
剣心はまだ何か言いたそうな彼らを無理矢理遮った。
薫「もう…」
いつもと変わらずゆったりと歩き行く剣心の後ろ姿に溜息をつく薫。
まさか本当にあの者と闘うのか…?
つくづく剣心の思考を読み取りたいと思う彼女であった。
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剣心「A。」
『んー…?もう朝?』
丸まった布団からひょこりと顔を出すAに小さく笑うと、剣心は彼女の隣に座った。
そしてAの綺麗な黒髪を撫でる。
剣心「そうだよ。もう昼も近い。」
『そっかぁ…あ、ねぇ剣心。うちね、お声がかかったんよ。』
剣心「何の事だ?」
剣心は突然の彼女の言動に首を傾げる。
『お座敷。幕末の頃のお知り合いの方々でね、また聴かせてほしいって。』
剣心「おお、良かったな。しかし久しぶりだな。Aが芸妓になるのは。」
『うん。せやからうち着物を買いにいかなあかんのや…剣心、荷物持ちになってくれへん?』
剣心「もちろん、いいよ。」
『ごめんね、ほんまおおきに。』
剣心「ほらそうと決まったら早く飯を食べて支度をしよう。」
『へえ。』
Aは布団を剥いで剣心の後を追った。
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました!!とっても面白くて、最高でした!「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています!色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので!頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚姫 | 作成日時:2016年8月27日 22時