陸拾壱 ページ13
剣心の作った夕餉を食べ終え、皆各自でいろいろなことをしている時だった。
剣心「…薫殿。来客の予定はあるでござるか？」
薫「え？いや、無いけど…」
剣心「そうでござるか…」
剣心は刀を持つと、玄関の方へ歩いていく。
薫「ちょ、ちょっと剣心！どうしたのよ？」
剣心「気を感じたでござるよ。全く隠そうとしない、馬鹿正直な気を。」
薫が不安そうに見守る中、剣心は静かに扉を開ける。
するとそこには…
「よお。喧嘩、しに来たぜ。」
赤いハチマキを巻いた、大きな男が構えていた。
剣心「お主か。来てもらってまですまぬが拙者は遠慮するでござるよ。」
「そうもいかねえ。これは喧嘩屋としての喧嘩。やってもらわねえ訳にはいかねぇんだよ。」
剣心「…そうか。」
薫「(喧嘩屋…？まさか、あの喧嘩屋斬左！？)」
剣心は諦めたように草履を履くと、道場の庭の方に移動し、見えなくなった。
『薫ちゃん？誰か来とるの？』
薫「Aさん！今、喧嘩屋の斬左が…！」
『斬左？』
剣心のただならぬ気配に感づいたAが、薫に聞く。
しかし、この間東京に来たばかり。
“斬左”など知るはずもなく。
Aは薫の慌て様に首を傾げるしかなかった。
すずめ「剣兄たー！どこー？」
あやめ「A姉ー！」
剣心「！！」
もう戦いが始まってしまう…というところで幼児2人の声が聞こえた。
剣心はその声に抜いていた刀を納める。
「へっ…やめだ。モノホンの喧嘩ってやつは、女子供に見せるもんじゃねえ。…なあ、抜刀斎。」
剣心「…何でござろう？」
抜刀斎と呼ばれ違和感を感じた剣心であったが斬左の異様なまでの声の潜め方が気になった。
「お前がこの間連れてた女。Aっていったか…俺はそいつに惚れた。だから、お前から力づくでも奪ってやる。覚悟してろよ。」
剣心「なっ！？おい、斬左！！」
斬左は、剣心の声に振り向くこともせず帰ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
