伍拾玖 ページ11
『あの方達、随分酔っていらっしゃるね。』
剣心「自由民権運動の総士たちか。」
剣心とAは、席の向かいに座る酔っ払いの集団を見た。
自由民権がどうとか、板垣先生がどうとか暴れ倒している。
妙「剣さん、お待ちどおさま！」
剣心「気にすることは無いよ。妙殿、かたじけない。頂くでござ…っ！！」
突然剣心が固まったかと思えば、急に倒れた。
『剣心っ！？』
剣心「おろ…」
どうやら先程の総士たちが放ったお猪口が剣心の頭に当たったようだ。
しかし彼らは全く気付かず、わぁわぁと叫んでいる。
妙「あの…あまり騒がれますとお客様の迷惑になりますので…」
男「女の分際で楯突く気か！」
総士の男の1人が妙の頬を殴る。
妙「きゃっ！」
『！』
「おいおい自由民権っていうのは、自由のためにあんだろ？それともなんだ、お前らの言う自由ってえのは、暴れる自由のことかい？」
すると突然、まだ若い大柄な男が現れた。
妙を受け止めたかと思うと、大胆に嫌味を放つ。
男「なんだと貴様！」
「大丈夫かい？」
妙「え、ええ…」
男「我々自由民権総士を舐めるな！表へ出ろ！」
「俺ァ普段は買い専門なんだが…たまには売ってみるのもいいかもな。」
剣心「ってて…！何があった！？」
『うん、なんかもう大丈夫みたい。』
剣心「おろ？」
剣心は状況を理解出来ぬまま皆の行く外へと向かった。
しかし決着は既についていた。
「へっ…口程でもねぇ。」
男「おのれぇ…！！」
残りの総士が仕込み杖を抜こうとした瞬間。
剣心「酔いからきた喧嘩なら目を瞑っていたがそんなものを抜くつもりなら拙者も容赦はせぬよ。勘定払ってとっとと帰れ。」
男「っ！！」
ぞろぞろと帰って行った彼らを見送ると、例の青年が話しかけて来た。
「どうだい剣客さん、頭の怪我は。」
剣心「ん？ああ、大したことないでござるよ。」
「だろうな。それで大怪我したらかっこつかねぇもんな。…お前さんが避けていれば今頃連れの嬢ちゃんの顔は血みどろだ。そんで、自分の頭を盾にしたんだろ？」
剣心「買い被りでござるよ。」
『剣心！お勘定！』
剣心「おろ、すまぬ。」
店の中からAが小走りで来た。
剣心は何となくもう一度青年を見る。
剣心「おろ？お主顔が真っ赤でござるよ。どうしたのでござる？」
「えっああ…大したこたぁねえ…」
誤魔化す青年。
しかし剣心は見ていた。
この青年の視線の先にはAがいた事を。
剣心「(また1人…堕ちたか)」
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モブキャラ - 私『刀姫』読みました！！とっても面白くて、最高でした！「刀姫』もこのお話も更新楽しみにして待っています！色々あってお気に入り登録できませんが、私の中ではお気に入り登録認定されてますので！頑張って下さい (2020年9月10日 5時) (
レス) id: 8ce7db365e (このIDを非表示/違反報告)
あんじゅ - 最高 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0aa15127f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚姫 | 作成日時：2016年8月27日 22時
