26 ページ26
黒尾side
回想
6月14日、俺と緑さんが付き合う前日だ
その日はひどく雨が降っていた
親は泊まりで家にいなくて
家にはただ俺1人だった
夕飯は外食にも行けるようにと親がちょっと多めにお金をくれていた
だけどなんだかめんどくさくて
たまたまあった冷凍食品を食べることにする
グラタンをレンジの中に入れて温めている間
メールが来た
緑先生からで″会いたい″とただ一言
家に誰もいないからと言ったら先生は俺んちへ来た
「…本当にごめん」
目が赤くなってる
泣いたんだろう、何があったのか？
「上がってください、風邪引きますよ」
先生は傘を刺してきていなくてずぶ濡れだ
シャワーを浴びてもらって俺の部屋着を貸した
「なにがあったのか聞いてもいいですか？」
先生はすぐに答えなかった
かわりに先生の頬からボロボロと涙がこぼれ出した
「彼氏が…彼氏が…亡くなったの」
彼氏…先生の彼氏が亡くなった…？
「彼氏のご両親がっ…私に最初に言わなきゃって…教えてくれて」
「…そうだったんですか」
「彼氏がね亡くなったのは私のせいなの
交通事故で…車と衝突して病院に搬送された時にはもう…」
「それじゃあ…」
「早朝…私の家に来て欲しいって彼氏を呼んだの
事故はその帰りのこと
だから…私が彼氏を家に呼んでなければ事故に遭うことなんてなかった！
私が家に呼んだばっかりに…
それにね彼氏がもういないって実感がないの
むしろこれが夢だろうなって何度も思い込んだよ
だけど
何度自分を傷つけても痛くて
何度彼に電話をかけてもつながらない
返信も来ない未読のまま
すごく悲しいのに自分が悔しくて今すぐ消えてなくなりたい
私は彼にどうやって詫びればいい？
どれだけの事をすれば彼は許してくれるの？」
俺は未熟でどう先生に言えばいいのか分からずに黙り込んだ
「もう生きていけない
だから最後に黒尾君の顔は見たくて来たの
この部屋着もありがとう
ちゃんと洗っとくから部屋に取りに来てね
顔見れたから私は帰ろうかな
黒尾君受験頑張ってね？」
帰ろうとする先生を俺は咄嗟に引き留めた
帰ってしまったらもう二度と会えなくなる気がしたんだ
「ごめん、離して」
「俺が先生の彼氏の代わりになるから
…彼氏の代わりになるにはまだ全然足りない未熟者かもしれないけど」
「そんな利用するみたいなことなんてできない」
「俺のこと利用してください。先生今日は帰らないで、帰りたくても絶対帰さない」
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←25
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【HQ】雑な扱い=愛情の裏返しってわけではないらしいけどそれどころではない
【HQ!!】生憎、それは恋だった。【二口堅治】 付きまといに偽名名乗ったらマネージャーすることになったんだけど。【ハイキュー...もっと見る
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こげぱん(プロフ) - こと様コメントありがとうございます！私も同じくクロ研磨夜久さんは好きです。3人を産んでくれたご両親に感謝…！笑 7月まで楽しみすぎて待ちきれないですね！！ (2020年4月17日 15時) (
レス) id: 8e9a785087 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - 更新お疲れ様です！いつも楽しみにしてます。 ＨＱのアニメ終わったので、七月までこれで黒尾くんロスを耐えきります！！(アニメ放送しても読む)黒尾くん推しだけど、このお話の孤爪くんと夜久くんが、お気に入りです (2020年4月17日 4時) (レス) id: c88a46efa7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こげぱん | 作成日時：2020年4月1日 1時
