No.224 ページ3
カンッ…カンッ……
薄暗く染まり行く森の中、かろうじて見える的
にサスケはただ黙々とクナイを投げつける。
7班と別れた後、皆が家路に着くなか、サスケは
いつも修行に使用している森へと足を運ぶと、
怒りを沈めるように……ぶつけるようにクナイを
ただ的に放った。
……否、"吐き出している"というよりも"考えな
いようにしている"と言ったほうが正しいのだろ
う…。
＿＿『うちは君…』
「っ……」
しかし、ふとした瞬間に浮かぶ雪希の顔にサ
スケは歯を食い縛ると、変に力んだ手によって
クナイはあらぬ方向へと飛んで行った。
「(……全部……嘘ついていやがったのかよ……あのウスラトンカチ……ッ)」
的を外れたクナイを皮切りに、沸々と込み上げ
る怒りにクナイを握る拳に力が入り、怒りのま
まにクナイを的へ放つ。
ダンッ…………
静かな森に響く的にクナイが突き刺さった音に
サスケは力が抜けたように座り込むと固く目を
閉ざした。
……思えば、前から"変"ではあったのだ……。
アカデミー時代からいつもヘラヘラとしている
のに、いつも誰よりも周囲を気にかけ、誰かが
一人になったら必ず手を差し伸べて……。
思えば子供らしくない一面も見てきたというの
に、何故それを"雪希だから"の一言で済ませ
てしまったのだろうか……。
＿＿『うちは君も食べる？』
＿＿『あ、うちは君丁度良いところに！た、助けて…』
あのうちはの事件後に皆が腫れ物を触るように
遠巻きにしていた頃に、あの笑顔でいつもと変
わらず話しかけてくれた……。
常に張っていた気をあいつの前では緩めること
ができたのだ……。
……雪希だから……その一言で、隣に来ることを
許している自分がいたのだ……。
＿＿『うちは君…春野さんは僕がなんとかするから』
＿＿『動けるよね？』
正直、戦闘において雪希に劣るはずがないと
思っていた。
それでも、大蛇丸が奇襲を仕掛けて来た時に雪希は当たり前のように動いていて…。
第3の試験の時もそうだ……
あの雪希があんな戦闘をした……それにさえ驚
愕し武者震いが止まらなかったというのに、そ
れも全て"演技"だったということなのだろう。
そう考えると、あいつの前で必死に修行し強く
あろうとした俺の姿はあいつにとってどう写っ
ていたのだろうか……。
考えれば考えるほど様々な想いが込み上げ同時
に雪希に対する深い哀しみと怒りが沸き上が
る。
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ユリ(プロフ) - 二三周してきました！wwwやっぱり何回読んでもとても面白いです。更新楽しみにしてます！ (2020年9月14日 16時) (
レス) id: a96c1cf246 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 初めまして！一気に読ませて頂いました！とても面白かったです！これからも無理せずに頑張って下さい！応援しています！ (2020年8月11日 14時) (レス) id: a96c1cf246 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 初めまして。すごく面白いです！ ご都合もあると思いますが、更新待っています。お体に気をつけて。 (2020年2月3日 0時) (レス) id: 52a662140b (このIDを非表示/違反報告)
かしわもち - とても面白いです！！更新はもうしないのでしょうか...。無理強いはしませんが、ずっと待ってます！頑張ってください！！ (2019年12月15日 12時) (レス) id: 00be68459d (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 返信が大変遅くなってしまい、申し訳ございません！長い間更新していなかった作品を見てくださり、評価していただけてとても嬉しいです！今回の回で少年編は完結するので、なるべく早く更新できるようにがんばります！見てくださり、ありがとうございます！ (2019年10月30日 17時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2019年2月20日 17時
