16話 ページ18
2人の返答に驚く仁太だが、鉄道は嬉しそうに
声を張り上げた。
《ねぇ、じんたん!やっぱ超平和バスターズは》
「超平和バスターズはやっぱ、最っ高だな!」
バーベキュー前に集まっていた時の気まずい雰
囲気とは違い、皆どこか柔らかい空気にめんま
が嬉しそうに仁太へ話しかけるが、それを遮る
ようにしてめんまが言おうとしてたことを口に
する鉄道
「…泣くなよ…」
仁太へ身を乗り出したまま思わず涙が溢れるめ
んまに、紙皿で口を隠しながら言えば、めんま
は慌てて涙を拭った
『っ……』
その姿を微笑ましそうに仁太が見ていれば、め
んま越しに見えた朱希に首を傾げる。
朱希はどこか思いつめたように下を向き、ぐっ
と右腕を握りしめていた…
「?…(水穂?)」
心なしか、右腕が小さく震えているように見え
る
「水穂「こーのぶんじゃさ!めんまも懐かしくなって、ひょっこり帰ってくんじゃね?」」
腕でも怪我しているのだろうか……?
仁太は何かに耐えるようにしている朱希に話し
かけようと口を開くが、それは大きな鉄道の声
によってかき消された
"めんま"
たった三文字のその言葉に、右腕の古傷は面白
いほどに反応した。
ズキン…ズキン…と、波打つように鈍い痛みが
腕を通して振動する……。
_この会に、皆かどのような気持ちで参加した
のかは分からない……しかし、それは自分も同
じことだった…。なんでこの会に参加したのだ
ろうか……参加しなければ、あの時の痛みも…
あの苦しみも……、全て心の中に蓋をしていら
れたのに……
短くなっていく痛みの波に、それを抑えるよう
に右腕を左手で握り締める。
鉄道達の声など、耳に入ってくることはなかっ
た__
「なんだ…エラい歓迎ぶりだな…」
「なんだよゆきあつじゃ〜ん…おっせーぞ?」
鉄道の言葉のあと直ぐに揺れた茂み。
突然のことに皆がビクリと反応し、皆の視線が
茂みへ注がれるなか…茂みの中から現れた集は
怪訝そうに眉を寄せた。
その姿に緊張に体を強ばらせていた者達は、一
斉にふっと力を抜く。
「ぇ…と…どうしたの?」
「ぎょわ!今度こそ本物…!!」
「え?」
しかし、集の後ろから様子を伺うように顔を覗
かせた桜楽に鉄道はもう一度悲鳴をあげた
「さ、桜楽か…本当に現れたんだと思っちゃった…」
しかしそれは鳴子も同じだったらしく、現れた
のが"桜楽"だと確認すると、安堵の息を吐く
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Rui - 何回も、読み返してます!!続き、楽しみにしてます! (2022年7月15日 23時) (レス) @page27 id: 289fec47e0 (このIDを非表示/違反報告)
。。 - すごく面白いです!これからも更新楽しみにしています! (2017年3月2日 15時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - イリさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてとっても嬉しいです!しっかりと丸く収まるように頑張ります(’∀’*)ありがとうございました! (2017年2月20日 11時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
イリ - これからどう話が進んでいくのか楽しみです、続き楽しみにしてます (2017年1月5日 21時) (レス) id: fb6882876f (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - アタさん» ありがとうございます!!私もあの花良いですよね(’∀’*)私も大好です!あの花の素敵な世界観を壊さないように、更新頑張ります! (2016年12月6日 15時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔櫻 実桜 | 作成日時:2015年9月7日 0時