１０話 ページ12
中学が違った彼と久しぶりに会ったのは高校の
始業式…
新入生代表として、凛とした表情で簡単な挨拶
と抱負をスラスラと読んでいた。
中学の３年間を共に過ごしていなかった彼だけ
ど、昔と変わらずに冷静で知的で…優しく見守
ってくれているあのお兄さんのようなところな
んかは特に何一つ変わってなんかいなかった…
同じクラスになって話した時も、私のことを覚
えてくれていたし…話し方も変わらない…
変わったことと言えば身長が伸びたこと、顔が
一段とかっこよくなったことだろう。
＿＿その時はそう思ってた…
だけど、私が彼の変化に気づき始めたのは高校
生活をスタートしてからちょうど１ヶ月過ぎた
頃からだった.....＿＿
皆に優しい彼の態度が、周りと一線引いている
ように感じてきたんだ…
どこか、必要以上に関わらないように…特に親
しい仲を作らないように…周りの人が気づかな
いように彼は周りと一線を引いていた。
そして時が過ぎて…夏が近づいてくると、また
彼の変化に気づく。
暑くなる気温とそれに伴い、制服移行期間の季
節に周りが半袖へと衣替えするなか、彼だけは
ずっと長袖のままだった。
暑くないのだろうか…もしかしたら彼にとって
は暑くない気温なのかもしれない…移行期間が
終了すれば、嫌でも半袖へと衣替えするだろ
う…そう簡単に考えていた…
だけど、移行期間が終了したというのに彼は相
変わらずの長袖で、ブレザーを着ていないなが
らも長袖のYシャツで、しかも、腕まくりもしな
いできっちりと袖のボタンを締めている＿＿。
その事には流石にクラス中の人間が気づいてい
たが、広く浅い彼の人望故か…誰にもその事に
ついて触れないばかりか、いつの間にか誰も気
にしなくなった。
先生も公認らしく注意もしない＿＿。
体育の時間もそうだ…半袖の体育着にこれまた
暑くないのか…薄手の長袖を重ね着している…
そしてやはり周りはいつの間にか気にしなくな
り、先生も注意したことはない＿＿。
水泳の季節になっても見学ばかりで泳いでる姿
なんてもってのほか…そんなこんなで、私は入
学してから一度も彼の腕を見たことはなかった
その代わり、たまに右腕に包帯が巻かれている
のはチラリと見える袖から見たことはある。
それでも、彼が右腕を痛がっている様子なんて
見たこともなかったし、彼の謎が深まるばかり
だった
そんなある日だった＿私が彼の右腕を見てしま
ったのは＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rui - 何回も、読み返してます！！続き、楽しみにしてます！ (2022年7月15日 23時) (
レス) @page27 id: 289fec47e0 (このIDを非表示/違反報告)
。。 - すごく面白いです！これからも更新楽しみにしています！ (2017年3月2日 15時) (レス) id: 6d58c9b9c0 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - イリさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてとっても嬉しいです！しっかりと丸く収まるように頑張ります(’∀’*)ありがとうございました！ (2017年2月20日 11時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
イリ - これからどう話が進んでいくのか楽しみです、続き楽しみにしてます (2017年1月5日 21時) (レス) id: fb6882876f (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - アタさん» ありがとうございます！！私もあの花良いですよね(’∀’*)私も大好です！あの花の素敵な世界観を壊さないように、更新頑張ります！ (2016年12月6日 15時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2015年9月7日 0時
