第１４曲 ページ16
「だからセクハラだっての！…それに、彩ノ瀬だって授業に出るんだからな？」
「えー…いいじゃん。ここで俺とサボれば」
「彩ノ瀬巻き込むなよ…。」
面倒くさそうにその場を動かない朔間くんに衣
更くんは重くため息を吐く。
…なんだかここにきてから衣更くんはため息を
吐いてばかりな気がする…。
朔間くんは意地でも譲らない衣更くんにうー
ん…と悩むと、不意に私へ顔を向けた
「ねぇ、あんたの席って俺の左って言ったっけ？」
『うん…じゃなくて…はい。』
突然の言葉に頷くと、朔間くんは納得したよう
に立ち上がる。
その行動に思わず私と衣更くんでポカンと見つ
めると、朔間くんは抱えていたハルをそっと私
へ渡した。
「なら良いや…隣なら匂いもするしねぇ…。」
「り、凛月…授業に出るのか？…てか猫！？」
授業に出る気満々と言った具合に立ち上がって
いる朔間くんへ衣更くんは呆気に取られたよう
にポカン…と朔間くんを見つめている。
(しっかり猫のことまでつっこんでいるところは流石だ…)
「なに？授業に出ろって言ったのはま〜くんでしょ…」
「や…そうだけど…。お前が自ら授業に出るとは思わなくて…」
「良い匂いが隣の席なら仕方ないよねぇ…安眠安眠♪」
「寝る気満々か！！」
朔間くんに差し出されたハルを受け取って２人
のやりとりを眺める。
よく分からないけど、朔間くんが授業に出るこ
とで丸く収まったようだ…。
ほら、行こう…と教室に急ぐ朔間くんに、衣更
くんは慌てて私へ話かけた。
「彩ノ瀬立てるか？…ていうかなんで猫がここに…」
心配そうに手を差し出してくれた衣更くんの手
を取り、そっと足に力を入れてみる。
難なく立ち上がることが出来たことから、どう
やら足は戻ったらしい…。
ハルを片手に立ち上がると、衣更くんが不思議
そうにハルを見つめていた。
『あ…この猫は私の猫なんだけど…間違えて連れてきちゃったみたいで…』
「へぇ…そうなのか…」
『うん、だから職員室で預かって貰おうかと…』
ハルを抱え直しながら衣更くんの疑問に答える
と、衣更くんは納得したようだ
「それなら職員室より保健室のほうが良いんじゃないか？職員室だと猫を嫌がる先生もいるだろうし…保健室の佐賀美先生なら内緒にしてくれんだろ。飼い猫なら衛生面でもそんな支障はないだろうし…」
『それならそうしようかな…』
ここは衣更くんの提案に乗らせてもらおう…
そう思い、頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔櫻 実桜(プロフ) - skyさん» ご報告ありがとうございます！こんな重要なミスに気づいていなかったなんて、恥ずかしいかぎりです(><)生徒1人1人の重要な名前を間違えないように気を付けます！ありがとうございました！！ (2016年10月28日 8時) (
レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
sky(プロフ) - あ、凛月の漢字間違ってますよ！ 僕ならまだ直してほしいな~、で終わりますけど、人によってはほんとに怒ってしまったりする人がいるので気をつけてくださいね！ (2016年10月28日 7時) (レス) id: 7c313187b0 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 美羽さん» この度は、ご指摘、閲覧共にありがとうございました！美羽様の鋭いご指摘に、細かなところまで読んで下さったのだと嬉しく感じます(,,･ω･,,)。まだまだ未熟な私ですが、今後ともよろしくお願いいたします！コメント、ありがとうございました！ (2016年10月18日 23時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 美羽さん» ご指摘ありがとうございます！改行や間などに関して、私も読み返しては未熟さを痛感しております。まだまだ拙い文章ではありますが、これからもっと読者様の読みやすいものを書いていくことが出来るよう、精進していく所存であります。 (2016年10月18日 23時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 言い方がキツくてすみません。上から目線発言もお見受けされましたら申し訳御座いません。長々と失礼致しました。 (2016年10月18日 20時) (レス) id: 7a1c8a1b9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2015年11月28日 23時
