何も持っていない私に【蓬菊】 (ページ13)

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12話ページ13

まりんside
※方言ほんとに無知

俺の家について、カナタが背負ってきてくれたAちゃんをリビングのソファに寝かせた。

まさ「お腹空いたー！」
ハ「それな」

まり「大して何も無いから好きなの買ってきて。俺は適当に昨日の残りあるから大丈夫。」

マンションの近くのコンビニの場所を伝えて、他のメンバーが出ていくのを玄関で見送った。

Aちゃんもいるから、俺は待機。

健「あ、まりん！」
ま「なに？」

玄関で健が振り返って俺を呼んできた。

健「Aちゃんなんだけど、低血圧で寝起きは身体に力入らないんよ。悪いんだけど起きたら水を飲ませて、Aちゃんが動けるようになるまでそっとしておいてあげて！」

ま「わかった。いってらっしゃい」

健「いってきまーーーす！w」

あんまり病気の人とか関わったことないしAちゃんの病気について知ってるわけではないけど、健が本気で支えようとしてるってことは今日一日でよくわかった。

なら俺も…2人のために出来ることはやりたい。

『ん……ｯ…』

リビングの座椅子でスマホをいじっていたら、正面のソファの上がモゾモゾと動きだした。起きたんやな。

まり｢あ、起きた？」

俺は立ち上がって彼女の傍に寄った。

『まりん…ｯさん』

まり「おはよ。水持ってくるから待っててな^^」

警戒心の強そうなAちゃんを安心させたくて、いつもはしないような柔らかい笑顔を作って言った。

水を持って戻ると、Aちゃんが何か呟いていた。

『まりんさんしかいないのかな……？』←小声
『ってことはここはまりんさんのお家？？？』←小声

『健くんはどこにいるんだろう…』

心の声全部聞こえるんですけど←

まり「健たちなら夕飯買いに行ってるで。」

『ぇ…』

まり「ふふｯ…さっきの全部声に出てたで」

『ｯ？！！！』

恥ずかしそうに水を飲む姿が可愛くて、思わずニヤけそうになるのをグッと我慢する。たぶん未成年やで←

コップを俺が片付けてもう一度彼女のところに戻ると、Aちゃんは少し様子を伺うように話しかけてきた。

『あ、あの…今日は本当にごめんなさい…』

まり「ん？え……何が？？」

『急に寝ちゃって…びっくりしましたよね…』

まり「そりゃびっくりはしたけど…でも健が教えてくれたし、別に迷惑でも何でもないよ？疲れた時は無理しないで欲しいって思うし。」

『で、でも…ｯ』

あぁ、なんでこの子はこんなに自信が無いんだろう。