大切な毎日 8

… ページ31

駿…駿なぁ…。
駿は丈と違っていたずらっ子のタイプやないから、
こういう悪戯は滅多にしないんよな。
したとしても、丈に流されてとか誘われてとかで。
自分から1人であからさまにやったあかんイタズラをするタイプやない。
あまりに機嫌が悪かったら分からんけど…



……あ、まって。
やっぱ、この悪戯やったん駿かも。

そういや、駿って今確か機嫌超悪いねん。
理由は、朝俺にちょっと怒られたから。笑

この前の駿の誕生日に、子ども用の簡単なドローンをプレゼントで買うたってん。
ほんなら、今日の朝起きて早々『外で飛ばしてみたい！』って。雨やから今日は無理って返して、晴れたらやろうなって何回言うてもいつもは聞き分けいい駿が珍しく駄々こねまくって我儘放題やってん。
で、ええ加減にしなさいって少しピシッと言うたら、静かにはなったけど朝からずっと涙目で拗ねてるんよな。
もしかしたら…俺への反抗心でやったんやとしたら、いつもはええ子の駿でも全然ありえる。


流星「駿ー？どこおるん？」


きっと今頃どっかで拗ねてる駿に向けて声掛けながら、
トイレの扉に鍵がかかってんのが目に入った。
あぁ、今日はそこなんやな…。


流星「駿？出ておいで。パパお話したいことあんねんけど」


トントンって2回ノックしたら、
意外とあっさり駿は出てきた。
こういうとこは丈とは真反対で、素直なんよなぁ。

でも、明らかに拗ねて不貞腐れた顔しとる。


駿佑「……しゅんやないもん。」


いや、まだ何も言うてへんけど…笑
俺から目ぇ逸らしながら、挙動不審にソワソワしてる。


流星「え？まだ何も言うてへんけど？何が駿やないの？」


駿佑「っっ……」


あ、やば…って駿の焦った顔。
駿はほんまに嘘がつけへん子やねん。


流星「壁のクレヨンの落書き、なんか知ってんの？」


駿佑「……し、しらん…っ」


流星「ほんまに知らんの？駿はやってへんの？」


駿佑「〜〜っちゃうもん、しゅんやない…！じ、じょおくんやもん！」


そうは言うけど、駿の右手にはクレヨンの赤の汚れがついてるし。
もう、こんなん白状してるようなもんやん…笑


丈「はぁ！？おれやないって！こんなんするん駿しかおらへんやん！」


流星「丈、分かってる。大丈夫やからちょっと落ち着き」


このままやと兄弟喧嘩になりかねんから、
一旦丈を宥めて落ち着かせる。
もうここまで来たら99%駿の仕業やし…

…→←分かってるけど…(橙/桃)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す