大切な毎日 8

… ページ29

親友を想って泣きそうな駿を見て、丈くんは一瞬ビックリした顔の後すぐに微笑んで「駿は優しなぁ、ありがとな」なんて駿の頭をポンポン撫でてた。


丈くん家から離れて歩き出しても、駿はまだ怪訝そうな顔。

たまーーにデリカシーない時もあるけど(笑)、
人の気持ちをちゃんと考えて一緒に喜んだり悲しんだりしてあげられるのが駿のほんまにええ所やねんな。


大吾「どうしたん、元気無いやん」


駿佑「だ、だって…！じょおくんこわすぎるって！お尻出したまま外出すとか、鬼なん…！？」


大吾「こら、人のパパのこと鬼とか言わない。笑」


駿佑「ぁっ、ごめんなさぃ…け、けどさぁ…」


大吾「そんな怖いかなぁ？むしろ丈くん優しい方やと思うけど」


駿佑「優しないってっ！ズボン履かせてもらえへんまま外出されたりなんかしたら、おれも絶対泣くもん…」


うちはまだ駿のこと外に締め出したことはないけど…
確かに、そんなんしたら駿は大泣き中の大泣きかも。


大吾「けど、駿がもし今日の恭平達と同じようなことしたら、うちは問答無用お外でお尻ペンペンやで？」


駿佑「…………えっ！？」


大吾「あったり前やん。学校のルール守らんで人のこと怪我させたりするような子には、怪我した子の目の前連れてってお尻丸出しでペンペンやな」


駿佑「え、な、、っほ、ほんまに、言うてる…！？」


大吾「ほんまやで。パパがお仕置きのことで嘘ついたことなんてあった？」


駿の顔色がみるみる青くなって、あからさまに歩く速度が遅くなる。

パパ、丈くんより全然鬼や……なんてボソボソ呟いとるけど、ぜーんぶ聞こえてんで？笑


大吾「なに、せんかったらええだけやろ？」


駿佑「そ、そうやけどさぁ…そうなんやけど…そ、外でお尻叩くの、絶対止めてな…？」


大吾「それは駿次第やで」


駿佑「えぇぇ〜〜っっ…」


いや、別にそんな難しいこと要求してるわけちゃうねんけど…？

駿は自分から学校のルール破って危ないことするとかは絶対無いねんけど、確かに人に流されてまう所はあるからそこが心配。
今日はたまたま駿は近くにおらんかったらしいからあれやけど…もし誘われてたら、今日やって駿も一緒にやってもうてたかもしれへんもんな。


まあ、ここまで脅しといたし大丈夫やろ。


まだ凹んでる駿に、「今日はお菓子もアイスもジュースもあるんやろ？」って声掛けたら、一気にテンションが戻ってた。
ほんま、うちの子はまだまだ単純で可愛ええな。

分かってるけど…(橙/桃)→←…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す