大切な毎日 7

… ページ29

流星「え、駿今日は学校終わってすぐ習い事行ったで。入室しましたってメール来たし、やから今日は遊んでへんはずやけど」


丈「あーーー……あー、分かったわ。」


流星「えっと、大丈夫そ？」


丈「…すまん、多分和也が嘘ついてるわ。今から問い詰めてくる」


流星「はーい。…ま、お手柔らかにな？笑」


流星との通話を切った瞬間、盛大な溜息が出る。


…やっぱり嘘やったんや。

俺から叱られんの嫌なんは分かるけど、俺に嘘ついて騙したとか、怒り超えてなんか悲しいわ。

俺と流星の会話が耳に入ってへんかったらしい和也は、今も何の危機感やって持たずにニコニコ飯食うてた。




【ＮＯside】


丈「和也。ちょっとええ？」


和也「？どーしたんー？」


電話を終えてリビングに戻ってきた丈一郎に、なんの疑いも無さそうな顔で和也が振り向く。
少しだけ変わったリビングの雰囲気には、ピリッ…とどこか緊張感が走っていた。


丈「今日、ほんまに駿と遊んでたん？」


和也「え、っ」


丈「駿、今日習い事やったらしいな？和也と遊んでた暇なんて今日無かったはずやけど」


和也「〜〜っっ…！！」


丈一郎の言葉に、和也の顔色が一気に青ざめた。
頭の中がパニックになって、何を言えば誤魔化すことができるのかが分からない。


和也「あ、いや、っ…え、えっと…」


丈「…門限遅れた理由も、駿の鍵探してたから〜言うてたけどそれはどういうことなん？」


和也「かぎ、っ…えっと…あ、あの、それはほんまで…」


丈「ふぅん。けどおかしいよな？その時間駿は習い事行ってたはずやのに、どうやったらその間和也と会って鍵無くすんやろな？」


和也「え、えっと、えっと…！」


もはや、すぐに答えられないこの焦った態度が“さっきの話は全部嘘でした”と既に白状しているような物なのだが。

自分の言葉で告白して欲しくて、丈一郎はただ無言で和也を見据えていた。


和也「ぱぱ、、っあの、えっと…」


丈「…………」


和也「〜〜っぐす…っごめんなさぃ…っっうそ、っ…つきました……」


丈一郎の圧に耐えきれなくなった和也が、涙をポロポロ落としながら白状する。
てっきり、ガツン！！と叱られるのかと思っていたが、丈一郎からしばらく無言で目を見つめられることが本当に怖かった。

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