大切な毎日 10 (ページ6)

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和也「ほんまー？ごめんな、もし誰か来たらすぐ出てくから！」

恭平「いやー、多分平気っすよ。ごゆっくり～」

よかったぁ。
空いてる教室なんかそうそう無いし、
どこで話そうか迷っててん。

そこで、謙杜先生から昨日『誰もおらんかったら保健室穴場ですよ』って教えてもらったこと思い出して。
具合悪い子いたりしたら、勿論違う所にするつもりやったけど。

恭平先生からの許可も出たし、俺は大ちゃんを呼んで
3つあるうちの1つのベッドに座らせる。
ベッド周りのカーテンを閉めてから、俺も大ちゃんの隣に座った。

和也「さてと…大ちゃん」

大吾「っっ…」

和也「今は授業中のはずやけど、なんであんな所にいたんかな？」

大吾「……っっ…だって…っぱぱ…っ」

和也「パパに会いたくなったん？」

大吾「ん…っだいちゃん、ぱぱといっしょがええからぁ…っ」

和也「やからって、先生に何も言わんと勝手に外出てええと思う？知らん間に大ちゃんがいなくなってたら、先生めちゃくちゃ心配するんやで？」

大吾「………」

このセリフ、もう何回も何回も言うてきたけど…
いつもならここで『だって～～！！』ってぎゃんぎゃんに癇癪起こして泣くところやけど、流石に今回はやばかったって大ちゃんも分かっとるからか、ずっと黙ってお説教聞いてる。

和也「あそこで先生が見つけてへんかったら、今頃大ちゃんどうなってたと思う？頭も打ってたかもしれへんな？」

大吾「けが…する…っ」

和也「そうやな、怪我で済んでたらええ方かもしれんよ。門から落ちてなかったとしても、学校の外を1人で歩いたりしたら自転車も車も危ないし…大ちゃんがしたことは、ほんまに危険なことやったんやで」

大吾「ぅ…っふぇ…」

耐えきれなくなった大ちゃんの涙が、目からポロポロ落ちる。

大ちゃんはただパパが大好きで会いたいだけやのに
泣かせんのは可哀想やけど、こんなん今後何回もされたら生きてる心地せえへんもん。
今日こそは痛い思いしてでもちょっと懲りてもらわなあかんかな。

和也「大ちゃん。今日の大ちゃんはええ子やった？悪い子やった？」

大吾「……っっえ、ええこや、なかった…けどぉ…」

和也「けど、なんなん？」

大吾「ふぇ…っかずやせんせえ、おこらんといてぇ…！こわい…！」

え、まだそんな怒ってるとこ見せてへんけどなぁ？

けど、怒るなって言われも今回は流石に“優しい和也先生”のままでいられへんわ。