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落ちてきた大ちゃんを俺の体で受け止めた衝撃と、
滑り込んだ時にできた擦り傷。
正直めちゃめちゃ痛かってんけど、俺の事なんかどうでもええ。
和也「大ちゃん、大丈夫!?どこか痛いとこある…!?」
大吾「…っっな、なぃ…っ」
和也「ほんまに?腕は?腰打ったりとか…どこにもぶつけてへん!?」
大ちゃんに、怪我ないか隅々まで確認して。
どこも怪我はしてへんし痛みも無いみたいで、
はぁ〜〜…って安心のため息が出た。
和也「……っよかった…無事でよかった…!」
ほんま、頭打ってたり場合によっては救急車やったかもしれへんし…!
大ちゃんが無事なことにとにかく安心して、
ひたすらぎゅうぎゅうに抱き締めた。
大吾「〜〜っこわかった…っっこわかったぁぁ…!
うえぇぇぇぇぇんっっ」
落ちた怖さが今更来たんか、大ちゃんはわんわん泣きながら俺にしがみついてくる。
大ちゃんが落ち着くまで、そのまの体制で体を優しく撫でた。
和也「よかった…もう、ほんまによかった…」
大吾「うえぇぇぇっっ……ひっく…っ」
見つけるのがもう少し遅かったら…
そう思ったら、ほんまにゾッとする。
大ちゃん、ビビりで慎重派なくせにこういうことは
突発的にやるんやから…
パパに会いたい力、強すぎやろ…
和也「…ちょっと落ち着いた?」
大吾「…っひっく…っひくっ…うぅぅ…」
泣き方が弱なってきた大ちゃんの体をポンポン叩いて、
顔を覗き込む。
まだひくひくしゃくりあげてはいるけど、
こくんって軽く頷いてくれた。
和也「ほんなら、ちょっと先生とお話しよ」
大吾「……っっ」
ちょっと怖い顔で目を合わせたら、
みるみる涙が溜まってく大ちゃんの目。
大吾「…っせんせえ…っだ、だって、だってな…っ」
和也「大ちゃんのお話も、後でちゃんと聞くから。
ちょっとおいで」
大ちゃんの体を離して、床に下ろす。
砂で汚れたジャージをパンパン払ってから、
大ちゃんを手招きしてそのまま校舎に戻った。
俺の後ろをちょこちょこ着いてくる大ちゃん…
俺の怒ってる気配を察してるんか、もう逃げようとはせずに素直やった。
和也「失礼しまーす…恭平先生ごめんなさい、今誰か具合悪い子いたりする?」
保健室の扉をノックして、中にいた養護教諭の恭平先生に声をかける。
恭平先生は、俺と大ちゃんを交互に見て、大体のことを察して苦笑いしとった。
恭平「いや、今誰もおらんからベッド使っていいっすよ。」
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まい - いつも小説楽しく読ませてもらってます😆リクエストなんですが、中学生くらいの大ちゃんが和也くんに叱られるというの出来ますか?叱られる内容は授業態度が悪いというので出来ますでしょうか? (4月13日 7時) (レス) id: 6a4b983200 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みる | 作成日時:2024年1月8日 19時