大切な毎日 10 (ページ12)

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和也「大ちゃん、もう反省できたもんな？もうせえへんやろ？」

大吾「ん…っもぉせえへん〜…」

大ちゃんはベショベショの顔で、パパにひっつき虫しとる。

そうやんな、やっぱりパパが1番よなぁ。

流星「和也先生、ほんまにすみません…その傷、もしかして大ちゃん庇った時にできたやつですか？」

へ？傷？
大ちゃんパパの目線の先を見たら、俺の腕には結構な擦り傷。痛いとは思ってたけど、ここまでなってるとは思わへんかったわ…

和也「あぁ…全然大丈夫ですっ！取り敢えず大ちゃんに怪我なくて、ほんまに良かったです」

流星「も〜、ほんまにごめんなさい…しかもほんまなら先生今頃授業ありましたよね？兄弟揃って2年連続迷惑かけて…」

あぁ、確かに駿も去年こういうことあったって謙杜先生言うてたもんなぁ。笑
大ちゃんパパも、毎年大変やな…なんて他人事みたいやけど思ってもうた。

和也「大ちゃん、帰りの会だけでも出れる？」

大吾「…んっ……でるぅ…」

和也「大ちゃんパパ、いいですか？？」

流星「勿論です、すみません…
恭平先生、ついでに駿も連れて一緒に帰りたいからここで待っててもええ？」

恭平「ええよ〜、待っとき待っとき」

へえ、恭平先生と大ちゃんパパって仲良いんや…

まだちょっとしょぼんとしてる大ちゃんの手を握って、
ひとまず保健室を出た。

和也「パパからも怒れちゃったなぁ」

敢えて笑いかけながらそう話しかけたら、
大ちゃんはこくこく頷く。

大吾「うん…パパ、いつもは優しいんやけどな…
おこったら、めっちゃ怖いねん」

和也「あはは、そうなんや」

教室までの道のり、
色々喋ってたら大ちゃんの機嫌も少しずつ治ってきて。
ほんなら、教室着く直前で大ちゃんがハッとした顔になって焦りだした。

大吾「あ、あっ、かずやせんせえ！」

和也「ん？どうしたん？」

大吾「あんな、あんな…だ、だいちゃん、ほんまはかずやせんせえのこと、大好きやから…！嫌いって言うて、ごめんなさい…」

和也「へっ……」

もしかして、さっき叱ってる途中に『嫌い』って言うてきたこと？気にしてくれてたんや？

和也「〜〜っだいちゃん可愛ええ！先生も大好きやで〜！」

もう愛おしさ爆発して、大ちゃんをぎゅって抱きしめた。『くるしい！』って言われてもうたけど。笑

いつか大ちゃんにとって、学校も安心できる場所になってくれたらええな…。

先生と一緒に、ゆっくり、ゆっくり慣れていこうな。