… ページ32
「次何乗る？もうだいぶ...」
「あー！クマさんおる！！」
丈一郎がアトラクションを見渡した所で、謙杜は目の前のクマの着ぐるみが視界に入ってしまい咄嗟に走り出す。あまりにいきなりのことだったため、3人で繋いでいた手はするりと抜けてしまった。
「ちょ、謙杜！？」
「おい謙杜！1人で行かへんの！！」
走り出してしまった謙杜を追いかけようとするも、
人が多すぎて思うように動けず中々追いつかない。
丈一郎と和也は急いで捕まえようと必死に前へ進むと、謙杜が尻もちをついて転んでいる姿が目に入ってきた。
「ふえぇ、いたいぃ...！」
「謙杜！」
「うあぁん、ぶつかったあぁ」
どうやら走っていたら通行人にぶつかったらしく、
転んでしまったらしい。
相手方に謝ろうと思っても、人が多くて誰がぶつかったのかが分からない。
「謙杜。さっきのお約束忘れたん？1人でどっか行かないって約束やろ！」
丈一郎が謙杜を起こして目を合わせ、厳しい表情を作ると、謙杜はシュンと項垂れる。
「やってぇ...クマさん見たかったんやもん...」
「謙杜。見たいものがあったらお兄ちゃんに言ってからな？勝手に手離して走ったらあかん。分かった？」
「次もし同じことしたら遊園地出るからな！」
「......はぁい...」
叱られて、少し元気を無くしてしまった謙杜だが、
再び3人で手を繋いで歩き出し、何個かアトラクションを堪能するとすぐにいつものテンションに戻ってきた。
「あ！謙杜アイス食べたい！」
売店の看板に大きく載っているソフトクリームを指して、謙杜が叫ぶ。
「ええよ。みんなの分買おうな」
「結構並んどるな...すまん和也、俺トイレ行ってきてええ？」
「あ、ええよ。買っとく」
今日は気温もかなり高いことから、ソフトクリームが売っている
売店にはかなりの行列ができていた。
かなり並ぶことになると判断した丈一郎は、購入を和也に頼んで
トイレへと向かった。
「謙杜何の味がええの？」
「チョコ！」
「おっけー。俺何にしようかなぁ...」
お金の確認をしようと鞄から財布を取り出そうとするも、
片手は謙杜と手を繋いでいて自由に動かすことができない。
「謙杜。お兄ちゃんちょっとお財布出すから、１回手ぇ離してもええ？絶対離れたらあかん。お兄ちゃんの横にいるんよ？」
「はーい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みる(プロフ) - ーさん» 本当ですか〜🥺❣️とても嬉しいです！ありがとうございます⸜❤︎⸝ (2022年10月26日 0時) (
レス) id: c56cd0c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
ー - 移行おめでとうございます。これからも楽しみにしてます！ (2022年10月23日 23時) (レス) id: 99eb6ad5a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲野(プロフ) - この続きが見れるなんて逆に嬉しすぎます‼︎ (..◜ᴗ◝..)‼︎みる様信者なので♡♡2の方にもコメント書かさせて頂きます‼︎♡♡ (2022年10月21日 23時) (レス) id: b5109b0fce (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 咲野さん» わあありがとうございます⸜❤︎⸝ そうなんです謙杜くんのおうちの方がやっぱり厳しいんです🥺笑 一緒にペンやばいです絶対書きたいです、、！案いただいても良いですか🥺❣️ (2022年10月21日 20時) (レス) id: c56cd0c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
咲野(プロフ) - 移行おめでとうございます♡最初と最後のお話がリンクしてるの素敵です‼︎ (..◜ᴗ◝..)‼︎けんとくんのおうちの方がやっぱり厳しいですね笑笑一緒にペンされる日もあるのかなって妄想しちゃいます♡ (2022年10月19日 19時) (レス) id: b5109b0fce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みる | 作成日時：2022年10月11日 0時
