… ページ16
そう叫んで、和也は堰を切ったように泣き出す。
ようやく理由らしき発言が聞けた丈一郎は、内心少しだけ
ホッとして、一旦手を止める。
「ん？なんや？なあ和也、なんで叩いたんか、今言ったその理由教えてくれへん？」
「ひっ…ひっぐ…！！わあぁあぁん…！！あぁあぁん……」
目を合わせるように抱き起こしても、和也は顔を覆って
わんわん泣きじゃくる。和也が話せるようになるまで、
少しだけ背中をさすって、落ち着かせる。
「変って言われたん？何が変やって言われたん？」
「…っっ…っぅっ…かずの、ぃえ、ママおらへん、から、っ…パパ、が、おりょうりとか、せんたく、とか、やっとるの、へんやって…っぱぱのこと、へんって…！」
「…え？」
「っひっ、ひっく、かずのパパ、へんやなぃ、のにぃ…！
っぅあぁあぁあぁぁんっっっ」
そう言ってまた泣き出す和也を前に、丈一郎は唖然とする。
まさか、そんな理由で喧嘩が起こっていたとは。
いつも温厚な和也だが、大好きな父親が貶されることだけは、
絶対に許せなかったのだ。
「そっか……あー、そっかぁ。なあ和也、聞いて」
「っ……ひっ…ひっぐ……」
「和也の言う通り、家は何も変やないよ。確かに、○○くんの家はお料理もお洗濯も全部ママがやってくれとるのかもしれへんけど、かずの家はパパが全部やっとる。家によるんやから、パパがお家のお仕事してたってなーんも変やない」
「っ……ぅん……っ……」
「パパが変って言われて怒ってくれたんやな。嬉しい。ありがとな？…でも和也、だからってお友達のこと叩くんは、いい事？悪いこと？」
「……っ………」
「かず？」
「……わるぃ、ことっっ……」
理由も話して、少し頭が冷えてきたのか、先程より冷静に物事を考えられるようになった和也は、消え入りそうな声でそう呟く。
自分は何も悪くない、相手が100%悪いなんて、最初からそんなこと思っていないが、ムキになって意地を張ってしまっていただけだった。
「ん、そうやな。どれだけ嫌な思いしても、手を出すのは絶対にあかん。叩くんやなくて、家は変やないよ〜って優しく教えたれば、もしかしたら○○くんも謝ってくれたんちゃう？謝ってくれなくて嫌なことずっと言われたら、先生とかパパに言ってくれればええやん。せっかく和也は優しくてええ子なんやから、人のこと叩いたりなんかしたら絶対あかん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みる(プロフ) - ーさん» 本当ですか〜🥺❣️とても嬉しいです！ありがとうございます⸜❤︎⸝ (2022年10月26日 0時) (
レス) id: c56cd0c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
ー - 移行おめでとうございます。これからも楽しみにしてます！ (2022年10月23日 23時) (レス) id: 99eb6ad5a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲野(プロフ) - この続きが見れるなんて逆に嬉しすぎます‼︎ (..◜ᴗ◝..)‼︎みる様信者なので♡♡2の方にもコメント書かさせて頂きます‼︎♡♡ (2022年10月21日 23時) (レス) id: b5109b0fce (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 咲野さん» わあありがとうございます⸜❤︎⸝ そうなんです謙杜くんのおうちの方がやっぱり厳しいんです🥺笑 一緒にペンやばいです絶対書きたいです、、！案いただいても良いですか🥺❣️ (2022年10月21日 20時) (レス) id: c56cd0c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
咲野(プロフ) - 移行おめでとうございます♡最初と最後のお話がリンクしてるの素敵です‼︎ (..◜ᴗ◝..)‼︎けんとくんのおうちの方がやっぱり厳しいですね笑笑一緒にペンされる日もあるのかなって妄想しちゃいます♡ (2022年10月19日 19時) (レス) id: b5109b0fce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みる | 作成日時：2022年10月11日 0時
