ねぇ…松本センセ…？【4】 (ページ39)

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Betrayal【M】ページ39

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潤
『お昼は？』

『購買のパン』

潤
『俺のは？』

『知らない(笑)』

潤
『ちぇー』

乱れた制服を正すと

俺たちは教師と生徒に戻る。

その切り替えは

事の度、速くなっていった。

潤
『あー…昼飯なに食おっかなぁ』

いつの間にか遠くに転がっていた椅子を戻して

机の前に置き、座る。

『……二宮先生って
そんな悩みないんだろうね』

机の横の窓に張り付いて外を眺めていたAが

突然二宮先生の名を呟いたので

なんとなくピクリと反応してしまった。

『ほら』

視線はかなり左を向き

その辺りを指すようにコツコツと窓を突くから

椅子から立ち上がりAの後ろから外を見た。

ココの窓からは

裏門と職員専用の駐車場という

殺風景な場所しか見えない。

真横に停めてある

自分の車に視線を落とし

そこから人の気配を探した。

『ね？』

潤
『えー……』

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駐車場脇の

駐輪スペースの隅っこだった。

リトルカブの荷台に腰掛けた二宮先生と

その前に立つ女子生徒が居た。

ここから見てる限りでは

下に居るふたりの間にも

なかなかの空気が漂っている気がした。

潤
『知ってるコ？』

『３年間二宮先生のクラスのコ…だと思う』

潤
『３年間…？』

そう聞いて思い出すのは当然

櫻井…だった。

『付き合ってるみたい』

潤
『はぁぁ！？』

あんまり驚いて

言葉で聞くよりも先に

忙しく下のふたりを指す俺の指を見てAが

みんな知ってるよ？とばかりに言った。

潤
『えー……』と思ったのは

校内でタバコは吸わない

と、断言した二宮先生が

女子生徒の手渡した

おそらく弁当

を、受け取り

カブの荷台で陽気にタバコを吹かしていたことと

自分の生徒に手ぇ出してんじゃねぇかよ…という

裏切られた感。

『センセはもらったことあるの？お弁当』

潤
『…ぇ？』

『ぇ…あるの？』

潤
『何回か…だけ…？』

『あるんだ…』

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そして流れる俺たちの

ヘンな嫉妬を纏った空気。

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