ねぇ…松本センセ…？【4】 (ページ36)

今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:33,215 hit

N teacher vol.3【M】ページ36

・

・

和也
「ちょっとイイですか？」

４限目の授業を終え

戻った準備室で

昼飯はどうしようかと考えていた時

彼も授業を終えたばかりなのだろう

白衣姿の二宮先生がドアを開けた。

和也
「お昼、一緒に外出ません？」

潤
『えぇ…』

改まって何事か…とは思ったが

断る理由はなかったので

彼の誘いに乗って

学校近くにあるラーメン屋に入った。

和也
「学校じゃどうしてるんです？」

油の染みついたカウンターに着いて早々

タバコを咥えた俺に

二宮先生は灯したライターを近づけ

自分のタバコにも火を点けた。

潤
『何がです？』

ふたり同時に

白い煙を細長く吹き出す。

和也
「タバコ。
校内禁煙でしょ
どーしてんすか？我慢してんすか？」

潤
『あぁ、生徒が来ていない時に車で…(笑)』

和也
「意外だな」

･

二宮先生は

含みのあるため息を吐いて

俺を横目で見た。

意外だなって言葉に

なんとなく悪意を感じ

二宮先生を少し睨んだ。

潤
『二宮先生はどうしてるんですか？』

和也
「俺？俺は吸いませんよ？
校内ではね」

潤
『……』

和也
「真面目そうに見えて
案外大胆なコトするんですね」

彼が強調した部分で

やっとピンときた。

･

和也
「あれ、俺じゃなく
生徒だったり他の生徒だったらどうしてたんですか」

潤
『……なにも…ないですから』

顎を手で支え

カウンターの向こうを見ながら

淡々を話す二宮先生は

俺の苦し紛れを無視して続ける。

･

和也
「本気になっちゃいました？」

潤
『……』

和也
「結婚は？破談ですか？」

潤
『……』

和也
「せんせ、あのさ？」

カウンターにラーメンが置かれ

二宮先生はタバコを揉み消したけど

俺はいつまでも

燻る煙を消せないでいた。

･

･