どうも、悪女の友達です。[歌い手]

８話　立ち眩み ページ10

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どうやら階段から落ちて気絶してしまったようだ。頭部の痛みは転倒した際にぶつけてしまったのだろう。軽く頭をさすりながらふと近くの壁にかけられている時計に目をやると、針は16時半を指していた。



『あ…。』



放課後一ノ瀬先輩から蘭湖(らんこ)と一緒に生徒会室まで来いと言われていたことを思い出し、急いで自身にかかっている布団をはぎ取り、立ち上がる。
今日は授業が６限目までしかないため、いつもよりも早い。一ノ瀬先輩は明確な時間は言ってはいなかったが察するに終礼が終わったらすぐに生徒会室まで来いという意味だろう。



『…!!』



生徒会室まで走って向かおうと思った瞬間、視界が真っ白になったので、すぐにしゃがみ込んだ。急いで立ち上がったため、血液が一気に頭から下半身に下がったことで立ち眩みしてしまったようだ。



「あの、大丈夫ですか？」



頭上から中性的な声がしたので見上げると、白髪の(制服から察するに)青年が(おそらく)心配そうな顔をして手を差し出した。
青年の手を取り、今度はゆっくりと立ち上がるとぱちぱちと数回瞬きをする。



『大丈夫だよ〜。』



ヘラっと笑い、青年に視線を向けると逆光と立ち眩みで青年が誰だか気づかなかったが、王子様と呼ばれている内の一人である一年生の相川真冬くんであった。

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